日経XTREND FORUM2019 ―ウェルネスマネジメントでチャンスをつかむ!超高齢化社会と健康経営のあるべき姿とは?―
2019年7月25日、日経BP主催の「日経XTREND FORUM2019」にて弊社代表・藤元が登壇しました。
D4DRのシンクタンク部門であるFPRC(Future Perspective Research Center)では、今年の6月に「消費トレンド総覧 2030」を日経BP社から発刊しました。その中で、2030年に向けた14の有望市場を定義・レポーティングしていますが、今回はその第一章「ウェルネスマネジメント市場」について、2名の専門家による講演とディスカッションが行われました。その様子をお伝えします。
「消費トレンド総覧 2030」は、下記よりご購入いただけます(2019年9月30日まで)
https://www.d4dr.jp/consumer-trend2030-pbd0708/
明るい超高齢化社会のために必要なこととは?
最初に、経済産業省 ヘルスケア産業課長の西川 和見氏が講演しました。
21世紀の日本は65歳以上がメインの社会構造になるため、様々なイノベーションで明るい超高齢化社会を作っていくことが重要、と西川氏。
認知症に関しては特効薬が無いため、認知機能の低下を早めに発見し生活習慣を変えるサポートや、社会貢献できる場を創出すること、認知症でも暮らしやすい街を作る(認知症バリアフリー)ことが、最大の対策になると語りました。
明るい超高齢化社会を実現するためには、認知症を発症してから対応するのではなく、矯正や予防などのサービス品質を上げ、社会に広めていくことが重要だと提言しました。
企業の業績向上のための健康経営と、その実例
次に、DeNA CHO室室長代理 東京大学医学部付属病院 22世紀医療センター 研究員の平井孝幸氏が講演しました。平井氏はDeNAで企業の健康経営を推進しています。
健康経営はそもそも企業の業績や株価の向上、組織の活性化が本来の目的であり、従業員の健康促進がメインになっている現状を変えなければならないと平井氏。
健康経営で重要なのは、プレゼンティーイズム(※1)の改善や、健康意識の低い人にも健康に興味を持ってもらうことが本質であり、企業にとっては業績を上げるための投資と認識することが必要と語りました。
※1従業員が出社しても、なんらかの不調のせいで頭や体が思うように動かせず、本来発揮すべきパフォーマンス(職務遂行能力)が低下している状況のこと
日本の人事部より(https://jinjibu.jp/keyword/detl/495/)
DeNAで具体的に行っている取り組み例として、
●健康に関する豆知識ポスターの社内貼り付け
●医学療法士が姿勢が悪い人に声掛けをして、レクチャーを受けられる「腰痛撲滅プロジェクト」
●メタボになると色が変わるパンツ
など、様々な面白い事例が紹介されました。
超高齢化社会をチャンスに、ウェルネスマネジメントで世界をリードできるか?
パネルディスカッションでは、働き方改革と健康経営を同列で語り、業務効率のアップを図るべきという話で議論が始まりました。
また、これから超高齢化社会を迎える日本においては、ウェルネスマネジメントのチャンスが非常に大きいのではと話が広がりました。
西川氏は、以前日本がオイルショックを経験した結果、省エネや循環型社会づくりの仕組みでリードできた実績もあるため、ウェルネスマネジメントにおいても世界最先端となる可能性があると語りました。
藤元は最後に、ウェルネスマネジメントは自分ごと化する分野でもあるため、自分の心の中にビジネスチャンスのアイディアがあると語りました。
健康経営・働き方改革が進展した会社が増えていくことで、日本全体もいきいきして、皆が幸せに生きられる国につながるのでは、との提言で閉会しました。
Yoshida
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