Waku Waku みらい共創研究会 シンポジウム「社会課題解決につながる幸福の精神とは?」
「WAKUWAKUみらい共創研究会」はNTT Communications主催で、会員企業と明るく素敵な未来社会を創っていくための研究会です。D4DR代表の藤元がモデレーターを務めています。
今回のシンポジウムでは、
・藤元健太郎(D4DR代表)
・楠木建(一橋大学大学院管理研究科教授)
・村井満(Jリーグチェアマン)
3名の講演がありました。
冒頭にはNTT Communicationsより、「WAKUWAKUみらい共創研究会」が「CX4BASE」の名称に生まれ変わる旨の説明がありました。社会課題解決を目指す志、悩みを共有できるコミュニティにしていきたい、という想いが込められています。
安心安全な超江戸社会を目指す
D4DR代表藤元からは、「超江戸社会」についての講演が行われました。「超江戸社会」は藤元が提唱している、これからの時代にふさわしい理想的な社会モデルです。
工業化社会の始まりとほぼ同時に終わった江戸社会の文化や考えは、150年の時を経て、再び時代がサービス化へ進行する中、ヒントとなることが多いのではないかという内容です。
・シェアリングエコノミー:ふんどしのレンタル
・セミパブリック空間:湯屋の2階、縁側など
社会のリソース化を進展させ、生産性が高く、安心安全な中世(江戸)を目指すことが人間の幸福につながるのではと提言しました。
また、藤元の講演中にはNTT CommunicationsのAI翻訳プラットフォームサービス「COTOHA」が、講演内容の同時文字おこし、翻訳を行い、参加者からは驚きの声が上がりました。
人間の本性を鷲掴みにするのがイノベーション
一橋大学大学院教授の楠木氏は、イノベーションの本質について講演しました。
昨今イノベーションの本質が誤解されることが多い。イノベーションは進歩ではなく路線が転換されることで「なぜ今までこれが無かったんだろう!」と思わせることが最大のイノベーションであると述べました。
普通の人間の本性は変わらない。例えば「自己愛」は人間の変わらない本性だが、その本性を鷲掴みにすることがイノベーションである、との言葉が印象的でした。
プロサッカー×デジタル技術
Jリーグチェアマンの村井氏は、サッカーの魅力をより多くの人に伝えるために行ったデジタル戦略について講演されました。
漫画・キャプテン翼の技を、実際のプロサッカー選手が実演したYouTubeをアップしたことを皮切りに、ライブ映像にミサイル追尾技術の融合、ダゾーンと契約してネットで観戦ができるようになったことで、いつでもどこでもスポーツが観られる環境を作ったことなど、さまざまな取り組みが紹介されました。
社会課題解決をきっかけに、身近なクラブと企業がタイアップし、人のつながり、オープンイノベーション、共同開発などを活性化させていきたいという熱い思いに、心を打たれました。
講演後に参加者から、イノベーションを起こすために気を付けていることは何か?という問いかけがありました。
楠木氏からは「とにかく頑張らない、無理をしない、ゆとりを持つ、イノベーションを起こそうと努力しない」との言葉がありました。
この頑張らない、ゆとりを持つということが、江戸社会の幸福の精神にもつながるのではないかと感じました。
社会課題の解決に向けて努力することも必要ですが、一人一人がこの幸福の精神を持ち生活をすることで、人が起点となり社会がより良くなることにつながるのではと、講演を通じて気づかされました。
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