「超・選択肢社会」における居住の多元化「マルチハビテーション」ー 関連サービス事例紹介 ー

テクノロジーの発展により受容されてきた、マルチハビテーション

テクノロジーの発展により、生き方や価値観までもが制約を超えて自由に選択可能となる「超・選択肢社会」。

都市や郊外、全国のあらゆる場所に自由に移動しながら生活する「マルチハビテーション」というライフスタイルも、テクノロジーの発展とそれをベースとした新たなサービスの登場により、身近なものとなってきている。また総務省・国土交通省の調査によると近年、持ち家を持つ人の割合は下降傾向にあり「賃貸住宅でも構わない」と回答する人が増えてきている。この傾向から、以前よりも居住場所を自由に選択する「マルチハビテーション」というライフスタイルへの理解が更に進むと考えられる。現状は「マルチハビテーション」を行っている人は少数であるものの、サービスや価値観の拡がりにより、多くの人に受け入れられるようになるだろう。

我々は、「超・選択肢社会」における構成要素を「生活支援サービス」「コミュニティ」「データ」「居住場所」「モビリティ」という5つのレイヤーで分類している。本記事では、この5つのレイヤーごとにマルチハビテーションに関連するサービスを紹介する。

①生活支援サービスレイヤー

サマリーポケット

箱に詰めて送るだけで荷物を預けられる収納サービス。預けたモノは、データ化されスマホで確認することができ、必要になれば家まで届けてもらえる。不要なものはそのままヤフオクに出品することも可能である。移動の際の荷物を減らす、あまり使わないけれど捨てられないものを預けるなど、マルチハビテーション生活者のモノの管理・保管の課題を解決できるサービスである。

https://pocket.sumally.com/

出典:PR TIMES

ANYTIMES

生活関連の「仕事」のマッチングサービス。30分から依頼することが可能で、細かいニーズに対応している。相互評価や利用者が作業者を選択できる仕組みにより、ユーザーは安心してサービスを使用することができる。自身が家を長く空けておくときなどに家のメンテナンス作業をお願いするなど、その場にいないことで起こるちょっとした不都合や悩みを解決できるプラットフォームとなっており、持ち家を持ちつつもマルチハビテーション生活をするユーザー等に最適なサービスである。

https://www.any-times.com/

出典:ANYTIEMES 公式サイト

②コミュニティレイヤー

パソナJOB HUB

地方における仕事の組成、地方自治体と企業をつなげる等のサービスを提供している。提供しているサービスの一つである「JOB HUB WORKATION」では、地域の企業・団体・行政と連携しており、ユーザーは旅先や短期滞在先で働くとことが可能である。また、本サービスの地方企業と都市人材のマッチングイベントは、居住・移動サービスと連携しており、マルチハビテーションをしたいが、適切な仕事を見つけることがハードルになっている人にとっては、その課題を解決するものである。

https://pasona-jobhub.co.jp

出典:PR TIMES

地域・教育魅力化プラットフォーム

地域の魅力を活かした教育コンテンツ展開をしている一般社団法人。地域課題の解決や、地方の関係人口の増加を目指している。高校の一期間を他の地域で過ごし学べるなどのプログラムを提供している。学生の時から一つの地域に縛られることなく生活することが可能。また2022年からは、学生だけでなく大人も参加可能な「大人の地域みらい留学」という新プログラムが開始される予定。

https://c-platform.or.jp/#section_education

出典:公式サイト

③データレイヤー

Akerun

クラウド型の入退室管理システムを提供する。ドアに後付で設置でき、スマホや社員証、交通系ICカードで施錠・解錠が可能となる。また、リアルタイムで合鍵の発行・剥奪が可能であるため、人が常駐しない空き家や貸別荘等で利用が進むと考えられる。自分の保有する遊休資産を簡単に貸出できれば、マルチハビテーション生活者の選択肢は更に拡がる。

https://akerun.com/

出典:公式サイト

④居住場所レイヤー

ADDress

月額4.4万円の定額制宿泊サービス。ユーザーは定額料金を支払うと、全国210箇所以上のADDressの家に宿泊することができる(原則、同じ個室への宿泊は最長7日間まで)。日本各地に宿泊することが可能で、現在多くのマルチハビテーション生活者が利用しているサービス。

https://address.love/

出典:公式サイト

HafH

ADDressと同じく、定額制宿泊サービス。世界30カ国300都市に拠点を拡大しており、ADDressと異なりホテル等の宿泊施設が中心。値段により宿泊可能日数が異なる5つのプランがあり、個人の状況や要望に合わせて選択可能である。ADDress同様、多くのマルチハビテーション生活者が利用していたり、ADDressと併用する利用者が多いようだ。

https://www.hafh.com/

出典:PR TIMES

⑤モビリティレイヤー

Carstay

宿泊可能なバンや車中泊できる駐車場を検索できるプラットフォーム。長期滞在できる車中泊可能な拠点(バンライフステーション)も提供している。マルチハビテーション生活者の選択肢の一つとして、車中泊を提案することができるサービスである。

https://carstay.jp/ja

出典:公式サイト

FPRC特集「超・選択肢社会」の記事はこちら

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