【イベント報告】「Vision Proを体験しよう!」(4/24 第64回NRLフォーラム × マイナビTECH+ 共催)
2024年4月24日、64回目となるNext Retail Labフォーラムが開催された。
Next Retail Labとは、「次世代の小売流通」をテーマにした研究会で、製造から小売りまで、さまざまな業種に関する調査研究や、マーケティング視点での提言などを行う任意団体である。
今回は、「Vision Proを体験しよう!空間コンピューティングの未来と可能性」をテーマに、スマートシティと環境・エネルギーの調和をテーマに様々な事業を手掛け、現在、Apple Vision Proを活用したプロジェクトなどに取り組む株式会社Andecoから、若きエンジニア・右田優希氏を講師に迎え、空間コンピューティングの未来と可能性について語ってもらった。
また、講演に続いてNext Retail Labのフェローも参加したディスカッションが行われ、さまざまな論点で議論が交わされた。
右田氏曰く「メタバースとは違う思想で作られている」というApple Vision Proにはどのような機能があり、小売業界にどのようなインパクトをもたらす可能性があるのか。
新しいデバイスが切り開く、次世代の小売流通の姿について、講演や参加者たちの議論をレポートする。
■講師:
右田優希氏 株式会社Andeco エンジニア
■ホスト:
菊原政信 フィルゲート株式会社 代表取締役(NRL理事長)
■進行・モデレーター:
江端浩人 江端浩人事務所代表 次世代マーケティングプラットフォーム研究会主宰(NRL常任理事)
藤元健太郎 ディー・フォー・ディー・アール株式会社 代表取締役社長(NRL理事長)
空間コンピューティングの未来と可能性
(右田優希氏:株式会社Andeco)
Apple Vision Pro(以下Vision Pro)は、「デジタルコンテンツやアプリをユーザの物理空間とブレンドし、目、手、声を使用してナビゲートする空間コンピュータ(Apple 公式サイトより)」だ。2024年4月現在、日本では未発売だが、Appleが開発した最新のスマートグラスということで、国内でも大きな注目を集めている。
講演では、株式会社Andecoのエンジニア・右田氏がVision Proの実機を会場に持ち込み、その機能や使用感、BtoBビジネスで動いている実際の活用事例などについて紹介した。以下、抜粋して紹介する。
MetaとAppleの思想の違いからなる、メタバースと空間コンピューティングの違いとは
右田氏(以下敬称略):今回は「空間コンピューティングの持つ未来と可能性」をテーマに、Vision Proの機能や僕自身が使った感想などをご紹介しつつ、話をさせていただきます。
最初に、自己紹介をさせていただきます。僕は大阪出身で、デザイン系の専門学校で3DCGや映像などを学びました。ゲームや3DCGが趣味なのですが、昔からVRが好きで特に「VRChat」というメタバース空間にアバターで入って遊ぶゲームにハマっています。合計で大体2500時間ぐらいやっています。
仕事としては、ソフトウェアの開発、主にWEB系のアプリや、スマートフォンのアプリなどを作っています。
私が所属している株式会社Andecoは、エンジニアリング、そしてクリエイティブとデザインを使って、お客様の空間価値を最大化するということを目標に掲げている会社です。僕はクリエイティブとデザインを得意としていて、代表の早川がエンジニアリングをメインに行ってます。まちづくり、建築、森林林業系をメインの事業ドメインにしていて、例えばスマート東京を目指す都の取り組みの一つ、港区の「デジタルAKASAKA」というプロジェクトに参画しています。
さて、今回のテーマである空間コンピューティングについてお話したいと思います。よく、メタバースと空間コンピューティングはどう違うのかと聞かれることがありますが、そもそもメタバースとはどのようなものなのでしょうか?
メタバースは、ヘッドセットをつけて、両手にコントローラーを持たされて、いろいろなセンサーがあって、そして出来上がったゲームっぽいアバターになって仮想空間に入りコミュニケーションをとる…そんなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
実は、最近のメタバースはこうした段階よりもだいぶ進化しています。
ハードウェアもコンパクトになり、画質もかなり上がってきていて、リアルな見た目のものが増えています。
2、3年ほど前、メタバースがいろいろなメディアに取り上げられた時期がありました。一般的にメタバースと言って皆さんが思い浮かべる先ほどのイメージは、この時に作られたものではないかと想像しています。この時期は、メタバースに対する期待値が高まりすぎて、技術が追いついていないタイミングだったといえます。
そして、実際のメタバースを経験した人たちが予想を下回るクオリティに「何だこれ」と感じ、いわゆる幻滅期に入りました。その後、少しずつですが、あらゆる面で質があがり、現在に至ります。スマホなどに比べると、誕生してから歴史が浅い分、これからまだまだ進化していく分野かなと思っています。
一方、空間コンピューティングとはどのようなものなのでしょうか。Vision Proに関するいろいろな資料やAppleの発表を読んで気が付いたのですが、Appleは「メタバース」と絶対に言わないんです。公式サイトにも書いていませんし、メディアに発表するときにもメタバースという単語を入れないようにと言っています。
それはなぜなのか。
僕が考えるに、それはMetaとAppleの思想の違いから来ているのではないでしょうか。
Metaは、メインの事業のFacebookやInstagramを軸に、VRの企業を買収してメタバースの事業を行っており、その世界に入って遊ぶゲームや、360度のその映像を観ることができる映像コンテンツなど、仮想空間の中に完全に入るコンテンツを多く作っています。
一方で、AppleのVision Proで得られるのは、現実の世界の中に仮想空間も見えるという体験です。ご存知の方もいるかもしれませんが、Microsoftの「HoloLens」というヘッドセットデバイスがあります。Vision Proは、これにかなり思想が近いと感じます。HoloLensは画面が暗かったり、歩くと画像がずれてしまったり、実際の使用にはいろいろな問題があったためにそれほど普及しなかったのですが、Vision Proは体験としてはこれに近く、それぞれの質がだいぶ上がったもの、という印象を受けました。
Vision Proのもう一つ大きな特徴は、MacやiPhoneなどとすぐに連動できるという点です。例えば写真をVision Proで見たいと思うと、すぐにAirDropで飛ばすことができるんです。こうしたエコシステムも、優れている点だと感じます。
Metaが社名も変えて、メタバースという売り方をしている一方で、Appleはどちらかというと空間コンピューティング、現実と仮想空間を重ねるような考え方で作っている、ここが大きな違いの一つだと考えています。
高解像度のカメラ、高い音質のスピーカーなど充実した機能
右田:Vision Proの機能や技術的な特徴についてもご紹介します。Vision Proには、両眼用にディスプレイが2つ入っています。この2つそれぞれの解像度が4Kあるため、現実とあまり違いを感じない、リアルな世界を見ることが可能です。
それから、左右にスピーカーが付いていて、これも、VRのスピーカーによくあるパリパリした安っぽい音がしない、高い音質を持っています。また、空間オーディオという機能により、鳴っている場所から音が聞こえるので、例えば歩き回ると音の位置も変わります。
もう一つ大きな違いは、単体で使えるという点です。VRが登場した初期のころは、高機能のパソコンが必要で、それにヘッドマウントディスプレイを繋いで使っていたのですが、Vision Proは中にパソコンが入っているので、そうしたパソコンを別に用意する必要がありません。
さらに、コントローラーも不要で、内蔵のたくさんのカメラで周囲を撮り、それによりジェスチャーや目線で操作することが可能です。
さらには、Vision Proは、Eyesightという機能があり、装着している人の顔がうっすらと表示されるようになっているんです。これまでのVR機器は中に封じ込めるような作りのものが多く、装着している人が周りを見ることができないだけではなく、周りからも着けている人の表情が分かりづらいつくりになっていました。対して、Vision Proは外から顔が分かるようになっているので、周囲の人と装着している人がコミュニケーションを取りやすくなっています。
不動産やスポーツなど、toBを中心にさまざまな案件が進行
右田:最後に、このいろいろな機能を備えたVision Proを活用した、実際の案件をご紹介します。
まだご紹介できるものが少ないのですが、当社では100人を超すいろいろな業界の方たちにVision Proを体験いただいて、何ができるか、どんなことに活用したいかを伺いました。中には、実際に案件化したものもあります。
まず一つ目の例が、不動産販売での利用です。マンションのショールームで、壁や床にプロジェクターで画像を映し出し、実際の家の様子や周辺環境などをお客様に見てもらうサービスがありますが、さらに付加価値をつけ、Vision Proを付けている人に、より立体的な体験をしてもらえるというコンテンツを作りました。
これは撮影など、制作の段階からVision Proを使った事例で、超高解像度で撮影できるカメラを用意し、マイクでその空間の音も録音して作ったコンテンツです。
二つ目が、サッカーJ3リーグのFC大阪と行ったプロジェクトです。FC大阪は東大阪市をホームタウンとしているのですが、例えばサポーターの雰囲気やスタジアムの雰囲気を伝えるためのコンテンツづくりを現在行っています。これはまだ企画段階なのですが、離れていても実際にスタジアムに行ったような体験ができるコンテンツを目指しています。
三つ目が、建築関係の事例です。建築の設計をする際にBIM(Building Information Modeling)という、コンピューター上に現実と同じ建物の3Dデータを作る仕組みがあるのですが、この3Dデータを使って、Vision Proで見ることができるようにしました。これもVision Proならではの機能が活かされていて、歩き回っても、仮想空間と現実がずれないので、実際の建物に表示しても見ることができますし、ミニチュアサイズで模型としても見ることができるようになっています。
このように、これまでにないクオリティを実現し、さらなる活用が期待できるVision Proですが、当然まだ、課題もあります。特に私が課題と感じるのは、本体に全てが入っていることから、あまり大きなデータを入れることができない点です。コンテンツ制作などをする上で、データをどうやって圧縮するか、考える必要がありました。
以上が当社として取り組んでいるVision Proを使った実際の案件のご紹介となります。
当社はBtoBが基本で、toCでビジネスをする機会が少ないため、小売というフィールドでどのような使い方があるのか、このあとのプロの方とのディスカッションでいろいろとお伺いできればと思っています。ご清聴、ありがとうございました。
【ディスカッション】
Vision Proが小売にもたらすインパクトとは
講演に続き、Next Retail Labのフェローらが参加しディスカッションが行われた。一部を抜粋して紹介する。
■ディスカッション参加フェロー
・中見真也氏 神奈川大学 経営学部国際経営学科 准教授 (NRL常任理事)
・樋口進氏 株式会社シンク・エヌ 代表取締役
顧客の目の動きから得たデータを活用し、どのような価値を提供できるか
藤元:最初に、空間コンピューティングについて改めてお伺いさせてください。先ほども少しお話が出ましたが、具体的に例えばUI、UX的はどのように違うのか、解説をお願いできますか。
右田:Vision Proが今までと違う点を挙げると、例えば、空間を認識する機能が標準で付いていて、仮想の画面を現実世界に出してきた際に、現実世界に影が落ちるようになってるんですね。
そうした小さな工夫がたくさん積み重なって、仮想現実にも関わらずものすごくリアルに見えるというのは、空間コンピューティングとメタバースの大きな違いの一つかなと思います。
もう一つは、今までのVRがゲームをするために誕生し作られ進化してきたため、ゲームに関係する機能が多いのに対し、Vision Proはゲームにはほとんどタッチしておらず、パソコンと繋いでそのまま作業などができるような機能が充実してします。
それから、今までのVRゴーグルは専用のアプリしか動かなかったのですが、Vision ProはiPadのアプリがそのまま動くというのも大きいですね。そのため、例えば僕がiPadのアプリを開発していたとして、Vision Pro向けにもリリースしたいと考えた場合、新たにアプリを作る必要がなく、少しの修正でVision Pro向けにリリースできます。Vision Proを購入して、今まで使っていたアプリがすぐ使えるというのはとても便利だとおもいます。
中見:お話を聞いて、驚きました。Metaのヘッドセットは、以前体験させてもらったことがあるのですが、今日、Vison Proについていろいろと聞かせていただき、すごいなとまず感心しましたし、感動すら覚えました。
僕はマーケティングや流通をやってる研究者なのですが、その観点で見たときに、これがどういう風にリテールの世界の中で顧客体験を向上させたり利便性を上げたりできるのかという点にとても興味があります。
リテールの世界の中では、お客様が買い物棚でどういう動きをすれば次にどういう行動になるのかという、アイトラッキングのようなテーマがずっと研究されてきました。Vision Proを使って実際の目の動きをデータとして取り、それを解析していくことで、小売の側からお客様に対してどのようなアプローチ、価値の提供ができるようになるか、そのあたりはどうお考えですか。
右田:現在、スマホでサイトにアクセスした履歴が取れるように、将来的には、ユーザーの目線の情報も取得できるようになると思うんですね。
今はまだ、こうしたヘッドセットを付けたまま外を歩く人はいませんが、スマホを持ち歩くように、それがもし当たり前になったら、そして目線の情報も取得できるようになったら、お店で顧客が何をどのように見ているのか、情報が集められるようになります。
そうすると、例えばユーザーに応じたデジタル情報をその人が良く見る位置に出したり、適した広告を出したりすることも考えられます。
それから購入体験としては、例えば家具を買いに行く時に、家のデータを3Dで取っておいて、店舗で自分の部屋をパッと出して、欲しい家具を自分の部屋に置いたらどんな感じかを見ることもできますね。逆も然りで、小売側がECサイトで3Dのモデルをダウンロードできるようにすれば、購入を検討している顧客が自分の家にその家具のデータを置いてみることも可能です。小売の世界で言うと、見てから買うと言う体験はすぐにできるようになるのではないでしょうか。
「現実店舗を仮想空間にコピー」ではなく、いかに付加価値をつけられるか
樋口:私も7、8年前にMetaのデバイスを自分で持っていて使っていたのですが、やはりかなりリアリティー度が落ちるというのが体験した感想でした。
その頃から、リテーラーとして何とかやりたいと思ってるのが、店舗やショッピングモールそのものを3D空間に置いて、そこで実際に買い物ができるようにするという試みです。
もう10数年それをやろうと試行錯誤していますが、なかなかできてないのが実情です。特に大きなショッピングセンターでは、「買い回りの低下」が課題となっています。店舗が多く敷地が広すぎて全部回れないという顧客が非常に多く、1店舗だけ行ってあとはカフェでお茶をして、それで終わってしまう。
リアルな店舗においては、顧客はオンラインよりも衝動買いをしやすいと言われています。ECはまだ伸びてはいますが、厳しい状況にだんだんとなっています。検索して目的に沿って買う人が多いため、衝動買いさせることが難しいからです。買い回りの低下は、こうした衝動買いの低下にもつながってしまいます。
Vision Proみたいなものを活用して3D空間でリアルに商品を手に取ることができて、簡単に多くの店舗を回って衝動買いしたくなる体験を提供できれば、劇的にECのマーケットが拡大するのかなと思いました。
中見:買い物の楽しさ、体験の向上みたいなものをどうやって表現していくのかが一つのポイントだと思います。それができれば、ショッピングモールとか、百貨店みたいなところでもこのデバイスの活用シーンが増えていくかもしれないですね。
そうした大型店舗は、顧客が上に上がらないという課題を持っています。1階の売り場やデパ地下には人が来ても、上の階は売上に苦戦しているんです。そうした課題に対してもVision Proが恐らく効いてくるだろうなと感じました。
右田:例えば現実の店舗での買い物は、店員さんがいて質問したりおしゃべりしたりすることができ、そこに価値を感じて通う方もいると思います。これまで、店舗を仮想空間に作った時に何が起きていたかというと、今までのVRの場合、閑散とした空間に何だかチープなアバターがいるような状況で、仮想空間にすることで逆に価値が下がってしまっていたんです。
そうしたチープさをなくして、例えばすごくお話が上手な人が仮想空間にいて、その人と喋りに行きたいと感じてもらえるような接客を提供するとか、Vision Proをつけた人がたくさんいるコールセンターのような場所を作り、Vision Proを付けたお客さんが入ってきたら、商品の説明をしたり質問に答えたりできる環境があれば、仮想空間の店舗の価値を上げることができるのではと思います。
それから、距離が関係なくなるという仮想空間のメリットを活かし、実店舗に行けない方にとっても価値を提供できると思います。例えばその店舗に行くことができなくても、ドローンを飛ばして、Vision Proで遠くの店舗を見られるようにして、実際に現地にいるリアルな店員さんが接客しても良いですよね。現地の店員さんと話しながらお店を見て回ってもらうような仕組みなどは、恐らくすぐにでもできるのではないでしょうか。
現実を仮想化するだけ、例えばスキャンしたりとか、スピーディーに起こしたりするだけだと、たいていの場合現実よりも価値が下がってしまいます。そうではなく、いかに仮想空間ならではの付加価値をつけるかが大事だと思います。
樋口:今お話しいただいたことは、小売りをデジタル化しようとしてる人たちにとっての本当に宿願ですね。ハワイのあの店に行きたい、というような需要は絶対にあるはずですし、加えて接客部隊がいて、実際の買い物もできる、これらが完全に揃えば、リテールの夢だったことが相当実現できると思います。
ヘッドセット常用が当たり前になる?未来、残る価値とは
会場参加者:機材的観点で質問いたします。Vision Proにはカメラが入っているということでしたが、例えば部屋が暗いとか、逆に日光が当たっているとか、それからヒラヒラした衣装などを着ているとか、イレギュラーな状況でも、ちゃんと反応するのでしょうか。
右田:その3つでいくと、まず暗い場所は不得意です。カメラをベースにこのヘッドセットがどこにあるのかを特定しているので、あまり暗すぎると反応しなくなります。逆に明るすぎる場合、特に太陽光が強すぎる場合だと、レンズが虫眼鏡のように太陽光を集中させ、ディスプレイの素子が壊れてしまうんですね。太陽光が強い場所で使うことはできません。最後に着ている衣服に関しては、程度によると思いますが、例えば生身の手である必要はなく、手袋をしていてももちろん動きます。海外で医師が使っている事例があって、白衣を着ていても問題なく反応できていたので、ある程度は問題がないのではないでしょうか。
会場参加者:こうしたヘッドマウントディスプレイを皆が持つようになると、スマホやパソコンを持つ必要性がなくなるのではないかと思うのですが、その時、AppleやMicrosoftなどの会社は、どのような製品を作っていくと思いますか。
右田:難しい質問ですね。フィクションの世界を考えると分かりやすいかもしれません。VRやメタバースでも残っているものに法則があって、例えば肉体って無くせないですよね。ご飯も食べないといけないし、トイレにも行く必要があることを考えると、肉体に関連するものは残るのではないでしょうか。
それから、今はVision Proはこんな大きさをしていますが、コンタクトレンズくらいの大きさになって、24時間つけられるようになったら、恐らくペットも窓もバーチャルの、体の触れる、例えば座れる場所だけあるようなただの白い箱みたいな部屋に住むようになっていくのではないかと思います。
そうした時代に価値を持つものは、多分手作業の手芸品やアートとか複製ができないもの。メタバースはデータなので、なんでもコピーできてしまいます。なので物を売ることは恐らくできなくなっていって、物ではなくて体験のようなコンテンツを売る必要が出てくると思います。
遠い未来の話かもしれませんが、どんな世界になっているのか、考えてみるのも面白いですね。
まとめ
Vision Proが提供する、空間コンピューティングという新しい価値。デバイスの進化が、小売の世界にどのような変化をもたらし、顧客はどのような体験を求めるようになっていくのか。今後の動向が注目される。
※本記事はNext Retail Labから許諾を得て元記事と同内容にて掲載しております。
Next Retail Labとは、所属している組織の枠を越え、産学連携で次世代のリテールやサービス業、地域コミュニティやマーケティングについて考えアクションすることを目的とし、緩やかにつながるシンクタンクコミュニティです。NRLでは、月に1度のペースでフォーラムを開催しています。
主催:Next Retail Lab
問い合わせ先
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