Webコンサルが使うテンプレ公開!GA4×データポータルのサイト改善方法を紹介
Googleアナリティクス4(GA4)の導入や活用は進んでいますか。
従来のGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス:UA)から大きく変化したGA4ですが、データポータルで可視化できるようにしておくと、とても便利です。
今回は、弊社がWebコンサルタントとして実際の業務で使用している、データポータルを使った分析テンプレートをご紹介します。
GA4のデータ収集は今すぐ始めましょう!
本題に入る前に、GA4対応についてご案内です。
GA4は2020年10月にβ版としてリリースされましたが、国内の導入率は2022年5月時点で15%程度という調査結果が出ています(出所:SEM Technology「GA4の導入状況調査」、対象:上場企業のWebサイト)。そもそもすべてのWebサイトにGAが導入されている訳ではないのですが、思ったよりも導入が進んでいない印象です。
GA4への移行と同時に、従来のGoogleアナリティクス(UA)は2023年7月1日にデータ収集が停止し、その後6か月間の猶予期間を経て、レポート出力も停止してしまいます。2023年7月までに対応すれば良い、と思っていると、いざ本格的に運用しようとなった時に大変なことがおきてしまいます。
GA4ではトラッキングコードが変更されるため、GA4のトラッキングコードを新たに設置しないとデータが収集できません。みなさんはアクセスログ解析を行う際に前年比を見ると思いますが、そのためにはすでにデータ収集を開始していなければなりません。
データ収集をまだ始めていない方は、早めにトラッキングコードを設置することをお勧めします。
GA4に対応した分析軸・指標の見直しが必要
さて、GA4ですが、従来のUAとは概念が異なり、似て非なるものになりました。
概念的にはセッション単位からユーザ単位への計測の仕方が変わり、Webサイトとの出会いからエンゲージメントまで、ユーザプロセス全体を分析できるようになっています。従来のGoogleアナリティクス(UA)はCVセッションを中心でしたので、GA4では分析範囲=打ち手への活用の幅が広がったと捉えられます。
一方で、困ったこともあります。
従来使っていた指標や分析軸が使えなくなってしまったり、定義が変更となっているため、今までアクセスログ解析に携わってきた方は改めて勉強し直さなければならない状況です。
レポートについては、集客やエンゲージメントなどの切り口で概観をすぐに確認できるサマリレポートが用意されていて、さらにもう一段深い情報を知りたい方向けには探索機能でカスタマイズした分析ができるようになりました。
一方で、どんな分析をするかは利用者側に委ねられているため、変わらず利用ハードルが高い状況で、ボトルネック箇所の特定や打ち手のヒントを探ろうとすると、一定の分析スキルがないと手こずってしまうことも少なくありません。
データポータルを使って柔軟なテンプレ作成がオススメ
そこでオススメしているのが、Googleデータポータルを使った分析テンプレートの作成です。
データポータルとは、Googleが無償で提供しているBIツールです。Googleアナリティクスなど様々なツールと連携して、自分専用にカスタマイズしたダッシュボードを作ることができます。
ダッシュボードと聞くと、よく見かけるKPIチェック用のサマリレベルのダッシュボードをイメージされる方が多いと思いますが、ここでは、ボトルネック箇所の特定や打ち手のヒントを探る手法を型化したダッシュボード(いうなれば探索分析用のダッシュボード)を紹介したいと思います。
分析ダッシュボードのメリット
- 知りたい事が一覧でチェックできるので、分析作業が早くなる
- 結果として意思決定や改善施策が早くなる
- 探索ダッシュボード=分析手法の型化になるので、誰でも同じ形で分析できる(分析スキルの底上げができる)
分析ダッシュボードの切り口
ある程度Webマーケティング業務に携わっている方はご存知と思いますが、Webサイトには大きくは、集客、エンゲージメント、コンバージョンという3つのステップがあるので、ダッシュボード作りではそれぞれに対応する形で分析ナレッジを棚卸しして、形にしていきます。
GA4に特徴的な切り口としては、ユーザが初めてWebサイトを訪問した時の行動、その後の維持率がユーザ単位で分析できる点などが挙げられます。
視点 | 分析内容(例) |
---|---|
集客 | ・Google広告のチューニング ・SEOコンテンツのメンテナンス ・新規ユーザ獲得に寄与する施策 ・サイト訪問者のニーズ |
エンゲージメント | ・ページ内でのアクション ・ページ訪問者のプロファイル ・ポテンシャル商材の発見 ・ユーザ維持に寄与する施策 |
コンバージョン | ・コンバージョンユーザの行動・特徴 ・フォーム(カート)の最適化 |
ダッシュボード(例):ページのエンゲージメントを高めるヒントを見つける
ここでは、いくつかある分析手法の中で、ページでのエンゲージメント分析のテンプレをご紹介していきます。(「エンゲージメント」はGA4で登場した指標ですね。)
ページの実績は訪問ユーザの質が大切
ページといっても様々ですが、単に閲覧数や訪問数が増えればよいという訳ではありません。
プロダクトページなら購入や問い合せ、記事コンテンツなら資料ダウンロード、メディアならページの熟読と回遊というように、訪問者がページ内でどのようなアクションを起こしてくれたか=エンゲージメントしたか、が重要です。
ページ訪問したユーザの質を測るダッシュボード
ユーザの質の要素を盛り込んだ実際のダッシュボードがこちらです。
データには、GA4に対応したGoogleデモアカウントのデータを使用しているので、表現し切れていないことも多いのですが、大よその形を掴んでいただけると思います。
操作体験ができるデモサイトをご用意しましたので、こちらからご覧ください。
チェック(クリック)したページと連動して、他の情報が変化するので、メニューやツールを行ったり来たりしながら分析するという手間もなくなり、意思決定が早くなります。
評価と改善ヒントの着眼点
- ページ訪問者とエンゲージメント率をチェック
- まずは、多くの人がエンゲージしてくれているかをチェックします。
- ページ内での行動の質をチェック
- ページ内でユーザが期待する行動を取ってくれているかをチェックします。GA4ではイベントという形で様々なアクションがデフォルトで計測してくれているので、すぐに確認できるようになっています。ただし、スクロール率や特定ページへの遷移などはカスタム設定が必要になりますので早めに設定しましょう。
- トレンドをチェック
- 最初(1)の分析で要改善としたページでも、訪問数やエンゲージメント率がアップトレンドにあれば、施策効果が出てきていると考えられるため、しばらく様子を見る判断をします。
- 逆に、パッと見で良さそうでも、ダウントレンドのページは要注意です。
- ページ訪問者属性をチェック
- 性別や年齢、地域、デバイスなど、ページ訪問者の属性を確認して、クリエイティブやシナリオがユーザにマッチしているかを推察します。(性別や年齢はデータ収集の設定が必要になりますが、取得できると有用なので設定をお勧めします)
- ユーザニーズをチェック(※サーチコンソール利用)
- 対象となるページが、自然(オーガニック)検索の入口ページとして利用されている機会が多いようでしたら、同じ画面内でサーチコンソールの検索クエリを見れるようにしておくと、ニーズの推察に活用できます。
まとめ
ダッシュボード作成はWeb分析の型化につながりますので、業務の効率化やナレッジの共有化のためにも、ぜひ取り組んでみてください。
今回は一例のご紹介でしたが、ダッシュボードの型を紹介している資料をご用意しましたので、よろしければダウンロードして、ダッシュボード作成のヒントに活用ください。
Mikio Aaskawa
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