リアル店舗のUXデザインを追求する行動データ活用!
消費シーンにおいて、多くのプロセスがデジタル化される中でも、その大半はリアル店舗が占めています。一方で、リアル店舗は他分野よりもデジタル化による業務変革の余地が大きいと言われています。
本稿では、デジタル・ソリューションを活用し、リアル店舗での店頭訴求効果を高めるポイントを、コンサルティング会社としての視点で簡潔に取り上げています。
リアル店舗は消費シーンの94%を占める重要なチャネル
国内人口の減少が進行する中で、リテール分野においては、店舗間の競争が激しくなっており、従来のままでは既存店売上の大幅な伸長は見込めない状況にあります。内部に目を向けると、店舗運営においてもパート・アルバイトなどのスタッフ確保が困難な状況にあります。
また、消費シーンのデジタル化が進み、ECに顧客を奪われている、という内憂外患な状態にあるのが実情です。
しかしながら、未だ消費シーンの94%はリアル店舗が占めており、今後も消費者にとって重要なチャネルであり続けており、今後の収益維持・増大のためにも新たな対策が必要になっています。
(出所:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」2018年度)
「顧客視点」×「デジタル活用」で現状を打破する
対策の大方針としては、従来から言われているとおり、
-他店よりも魅力的な店作りを行う
-少ない人材でも対応できるように業務を効率化する
という点に尽きますが、その手段としてポイントになるのが「顧客視点」×「デジタル活用」です。
まずは「顧客視点」です。
現状でリテール分野では商品を軸として、「何がどれだけ売れたか」を勘定していました。しかしそこには来店して商品を購入してくれる「顧客」の視点が入っていません。より良い店作りを行うためには、「商圏に存在するお客様、来店・購入してくれるお客様はどのようなお客様であるか」を知り、そのお客様が「どのくらい、どの様な購入行動を取っているか」を知る事が必要です。
(参考:「D4DRが考える、デジタルトランスフォーメーションに必要な4つの視点」)
スーパーマーケット年次統計調査によると、ポイントカードを導入している企業(スーパー)の62%がID-POS分析を実施していると推計されています。
(出所:「平成29年スーパーマーケット年次統計調査報告書」2017年)
その実施内容をみると、「商圏」(82%)が最も多く、次いで「顧客属性」(51%)となっており、「顧客属性」を分析している企業はまだ半数に留まっています。
(出所:「平成29年スーパーマーケット年次統計調査報告書」2017年)
次に「デジタル活用」です。
お客様のニーズを理解した店作りをしているか否かで、来店客の購買行動が変わってきます。例えばPOP一つとっても、訴求商品の販売実績だけでなく、POPがお客様にきちんと見られているか?を知る事が大切です。お客様が購入に至る行動を知る事ができれば、効果的な店作りができるようになります。
そして、デジタル活用にはもう一つの側面があります。それは内部スタッフの育成です。マンツーマンやOJTでの研修も必要ですが、指導するスタッフが時間を取られてしまい効率が低下してしまうこともあります。特にスタッフの流動性が高い業界や業務ではなおさらの事です。ここでデジタルを活用する事で、効率良いスタッフ育成が期待できます。
店頭訴求を強化するデジタルソリューション
ここで、店頭訴求を強化するためのデジタルソリューションを紹介します
全国のID-POSデータからマーケットポテンシャルを知る
自店舗と同じエリアではどの顧客層がどのような商品が購入しているのか、あるいはどのような併買傾向があるのかをBIツールで即座に把握する事ができます。
これにより自店の販売実績と比較し、仕入れや棚割り・フェース数を最適化できます。
(参考:「デジタルトランスフォーメーション時代のカスタマージャーニー活用 〜カスタマージャーニーの次にとるべきアクション〜」)
世界シェアNo.1のアイトラッキングツールでキャッチーな店内演出を行う
グラス型やVR型アイトラッキングツールを使用することで、リアル店舗内での顧客の視線をトラッキングすることできます。
これにより、ボードやPOPの配置やクリエイティブ、レイアウトや棚割り等、顧客にとって最適な店作りを行うことができます。
モバイルでの短編動画マニュアルでスタッフ育成を効率化
スタッフが常に持ち歩いているスマートフォンで、手軽に学習できる環境を構築します。短編動画を使用し、文章やイラストだけでは伝え切れない現場作業(仕分け、陳列、演出作業等)を的確に伝え、育成効率を高めていきます。
また、動画ごとの視聴履歴や評価データを活用することで、スタッフが学びやすい動画へとアップデートすることができます。
Mikio Aaskawa
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