新規事業の立ち上げに必要な5つの視点
市場環境の変化が早く、将来の予測が困難な状況の中で、新規事業を立ち上げ、中長期的に事業を成功に導くためには、押さえておくべきポイントがあります。
D4DRでは、これまで様々な産業・業種の事業者様の新規事業や長期戦略支援、ならびに数々のスタートアップの伴走支援を続けています。20年間、新規事業の立ち上げを支援してきたD4DR代表の藤元が、新規事業を立ち上げ、推進していくために、押さえておくべき5つのポイントを解説します。
新規事業を成功させたい、あるいは企画や立ち上げがうまく進んでいないと感じる担当者様はぜひご覧ください。
本記事は以下のような方にオススメです。
- 中長期的に成長する事業を立ち上げたい
- 新規事業を立ち上げたが、うまくいかない
- 新規事業の立ち上げに向けて進めているが、堂々巡りになっている
- 新規事業開発チームで話し合っているが、ひとりひとりの思い描く未来像が違っている
■ 押さえておくべき5つの視点とは
1.ありたい未来の自分ごと化・ビジョンデザイン
まず、新規事業を考える上で、会社や事業の未来のあるべき姿・ありたい姿の方向性を策定しておくことです。会社のあるべき姿を通して、より良い社会・より幸福な社会を実現することにつながります。どのような未来社会の実現を望んでいるのかをしっかりと描き、「私はこのような社会を実現していきたい!」という、自分ごと化された強い意思、未来社会に対する熱い想いを持ち、新規事業の立ち上げに向き合っていくことが重要です。
また、未来のありたい姿について共通言語を持っておくことも、事業推進の重要なカギとなります。チーム内の仲間と、それぞれが思い描く未来社会を共有することで、より具体的、かつ既存の考えにとらわれない新しいアイディアと出会えることがあります。会議の時間等がなかなか取れないこともあると思いますが、それぞれが思い描く未来社会の姿が違うと、最終的にうまくいきません。新規事業を立ち上げる際に、とても重要なプロセスの一つになりますので、必ず時間をとり、焦らずじっくりと、全員で事業と向き合いましょう。
2.分野俯瞰的視野
変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が高いVUCA時代に突入しました。
急激な技術の進展や、グローバリゼーションによる市場環境の突然の変化、多様性に富んだ生活者の価値観などの影響により、事業を立ち上げることが困難な時代となっています。しかし逆に、既存の市場のルールも一変し、ゲームをひっくり返すチャンスでもあります。
VUCA時代の事業立ち上げには、今までのやり方にとらわれない新たな手法や組み合わせを考えることが必須になります。未来から考えるバックキャスティング的思考と、分野間の俯瞰的な視野をもつことで、10年後、20年後まで通用するサービス・ソリューションを生み出すことができます。
3.シナリオ構築力
社内でアイデア導出したはいいものの、具体化せず、堂々巡りになってしまっていませんか。実は弊社に寄せられる相談として最も多い内容です。
創出したアイデアを具体化するためには、未来を起点とし、時間軸のそれぞれの地点でなにを達成するべきかを明確にすることで、アイデアのシナリオを描くことができます。
シナリオを描き、検討していくなかで、自社の現状分析や未来社会が自社に与える機会や脅威を評価することも重要になります。
4.事業共創
VUCA時代におけるビジネス環境の急激な変化により、一企業が単体で既存のビジネスの優位性を確保し続けていくことは困難となりました。
自社内にとどまらない様々なステークホルダーと協働し、技術やノウハウ、知識を出し合うことで、自社だけでは生まれなったビジネスやサービスのアイディアを生み出すことが可能になります。
「事業共創」は新たな事業を構築し、価値を提供し続けていくための有用なアプローチです。
5.プロトタイピング
新規事業の企画・開発を進めていくためには、短い変革サイクルのスピード感に対応しながら、超高速でプロトタイピングを繰り返していくことが重要です。
フィードバックを分析・次に反映し、ブラッシュアップしていくことで、サービスの質や生活者への提供価値も高まり、事業の成功確率が高まります。新規事業の開発は、前例のないビジネスへのチャレンジです。
プロトタイピングのような新しい手法を用いて、小さな失敗や改善を繰り返しながら、柔軟に開発を進めていくことが必須となります。
■ 未来視点で事業アイディアを生み出すメソッド
将来に渡って競争力のある事業を構想するためには、未来の市場変化の洞察、その市場形成要素への理解、そして柔軟なビジネスアイディアの創出が求められます。
D4DRでは、未来志向のビジネスアイディアを創出するために、未来市場のスキャニングマテリアル、事業アイディアを創出し具現化するためのメソッドを体系化しています。
▽ 得られる成果
- 事業のありたい姿・あるべき未来の方向性を定めることができる
- 自社の強みと未来を構成する因子を組み合わせた新サービス・ソリューションアイディアを創出できる
- 社会や生活者へ提供していきたい価値やコンセプトを言語化できる
D4DRでは、企業が実現したい未来ビジョンを描き、新規事業を成功に導くためのナレッジ・メソッドを提供しています。
本記事が新規事業立ち上げ・推進の一助となれば幸いです。