d-26 : 「推し」中心の生活(あらゆる行動の「推し活」化)

あらゆる行動の「推し活」化とは?

「推し」(強く支持・応援する対象)を中心に据え、日常生活のあらゆる側面をその支持活動(「推し活」)に関連づける生活様式のこと。消費行動だけでなく、アイデンティティ形成、コミュニティ参加など、様々な面で「推し」が影響を与える。

「推し経済」がさらに発展する一方で、「推し」への過度の没頭による現実生活への影響や、「推し」を通じた社会的操作・誘導のリスクなどもある。

予想される未来社会の変化

  1. 個人の「推し」に基づいたパーソナライズド経済が発展する
  2. 趣味や好みの対象が個人のアイデンティティの中核となり、「推し活」を軸とした生活設計(居住地選択、支出、時間配分など)を行う人が増える
  3. 「推し活」を中心としたコミュニティ形成が活発化し、新たな社会的結びつきが生まれる
  4. バーチャルとリアルを横断する「推し」との関係性が深化し、AIやバーチャルキャラクターへの感情的投資が社会的に認知される
  5. 「推し」に関連した健康増進や自己啓発活動が普及する

トレンド

推し活女子の世代別の金額内訳と消費行動調査

出典:PR TIMES「推し活にいくら使ってる?推し活女子の世代別の金額内訳と消費行動を調査!(oshimoa)」

『Oshimoa』では、推し活女子の消費に関するアンケート調査を実施。この調査は同社のインスタグラムアカウント(@oshimoa_jp)のストーリーを通じて行われ、1438名が回答。その結果、3~4人に1人が推し活に3万円以上を使っており、特に金額の上限を「5万円以上」と設定していたにもかかわらず、約7~8%の人々が10万円前後を消費していることが明らかになった。

推し活を行う女性たちは、明確な金銭の使い道があるため、労働へのモチベーションが高いと推測される。また、消費額が増加しても効用が減少することはなく、むしろ右上がりの傾向を示している。高いモチベーションを持ち、消費に慣れている人々が推し活市場に存在することから、非常にニッチで潜在的な魅力を秘めた市場であると考えられる。

「推し活をすることによって若年層の女性が生活に必要な費用を除いていくら月にお金を使うのか」という調査では、18歳以下の高校生以下の半数以上が月に5,000円以上を使い、約6人に1人が10,000円以上を使っていることが明らかになった。さらに、18~24歳(高校生を除く)や25~34歳の層では、半数以上が1万円以上の消費をしており、月50,000円以上を使う層の中には100,000円以上を回答する人もいた。

この結果から、年齢を重ねても推し活への熱量は大きく下がらないことが分かり、「推し活」というキーワードがより大きな顧客生涯価値を獲得するための重要な要素であることが示唆された。

My fave

出典:PR TIMES「オリジナルデザインのワッペン作りが体験できる『My fave』新大久保に新規OPEN」

クレアワークスは世界に一つのオリジナルグッズ作りが体験できるお店『My fave(マイフェイブ)』を新大久保(東京都新宿区)に新規オープン。

My faveでは、通常のワッペンワークのみならず、iPadを使ってオリジナルデザインのワッペンを作ることができる「マイワッペン」サービスを提供している。オリジナルのイラストやマークなど、規定のサイズ内であれば自由にデザインしてOK。完成したデータをもとにデジタルミシンで刺繍し、その場でワッペンを作ってもらうことができる。

また、ワッペンを貼り付けるためのベースアイテムの色を幅広く取り揃えており、推しのメンバーカラーで作ることが可能であるなど、推し活グッズを作ることができる。

推し色ドリンク付アフタヌーンティー

出典:PR TIMES「【銀座で推し活】気軽に楽しめる大人の推し活プランが登場!推し色ドリンク付アフタヌーンティーが2024年4月1日(月)より提供開始」

ホテル「ハイアット セントリック 銀座 東京」は、推しを愛する人々に向けて、推し活を楽しむための新たなプランを提供開始。3階フロアのオールデイダイニング「NAMIKI667 Bar & Lounge」の新プランは、推し色ドリンクがセットになったアフタヌーンティープランとケーキセットプランで構成されており、従業員が意見を出し合う「Pocket Project」にて、空前の推し活ブームに焦点を当てたアイデアとして採用された。

推し活プランは2つの種類があり、1つ目のアフタヌーンティーは推し色ドリンクと、リクエストに応じて提供される無料のデザートプレートがセットになっている。アフタヌーンティーは見た目の可愛らしさやユニークさが魅力で、9色から選べるドリンクと共に、個々のスタイルで楽しむことが可能。

2つ目のプランは、ふわふわのショートケーキと推し色ドリンクがセットになっており、友人や推しと一緒にいるような気分を味わえる。

両プランに含まれる推し色ドリンクは、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、青、紫、白、黒の全9色から選択可能。

さらに、希望に応じてアフタヌーンティーには、推しの名前やメッセージを添えたデザートプレートを無料で追加することができる。ケーキセットプランでも、特別な日のためにプレートに推しの名前やメッセージを入れることができ、誕生日やデビュー日を祝うことが可能。


・「推し活」とは、「オタ活」にも近い言葉であり、アイドルや俳優、キャラクターから鉄道や競馬などまで幅広い対象に関して、熱意や愛好的な感情を持って応援したり取り組んだりすることである。いわゆる「推している」状態だ。(今年の流行語大賞にもノミネートされた「推し活」って何?)推し活は、推しに会ったり、見たり、応援したり、グッズを買ったり、集めたり、同じファンと一緒に交流を深めたりと多岐にわたっている。推しに関わることは全て推し活と捉えることができる。

・「推し活」は2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされた。コロナ禍で閉塞的な世の中を推しで乗り切ろうという風潮がきっかけと考えられる。(2021年JC・JK流行語大賞を総括する-「第4次韓流ブーム」と「推し活」という2つのキーワード

・アイドルグループメンバーを推しとするオタク活動を綴った小説である『推し、燃ゆ』は、2020年に発表され、第164回芥川龍之介賞を受賞している。(推しがいるということ 宇佐見りん『推し、燃ゆ』について

・女性サイト「OZmall(オズモール)」を運営するスターツ出版株式会社が行った調査によれば、「推しがいる人?推し活をしている?A.はい86%、いいえ14%」という結果が出ている。( 推しがいる人、推し活をしている人は86%!推し活応援!推し活におすすめのOZmallレストラン&カフェ特集

・『「推し」といったカジュアルな言葉に促され、気軽に応援できる雰囲気がある。ここ数年で急速に盛り上がり、「アイドルを応援する女子高生を描いた『推し、燃ゆ』が今年芥川賞を受賞したことは推し活が社会的に認知された象徴」と横川さんは語る。( 「推し活」の熱狂が日本を変える?…人はなぜ「沼に落ちる」のか

・2022年2月、推し活を支援するアプリ「Oshibana」は、ユーザーが作成したウィジェット数が10万件を突破した。( 推し活アプリ「Oshibana」において、ユーザー作成ウィジェット数が月間10万件を突破

 

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