ナチュラル・オーガニック・エシカル志向とは?
自然由来の原材料や製法や、化学肥料や農薬を使用せず、環境に配慮して生産された製品、倫理的・道徳的観点から、環境や社会に配慮した製品・企業を志向する生活者が増加している。背景には、環境問題や安全性への意識の高まりや、トレーサビリティの向上などがある。企業は、製品開発からマーケティング、サプライチェーン管理に至るまで、あらゆる面で変革を求められる。
予想される未来社会の変化
- 商品の情報化が進み、物語や理由のある消費が求められ、ナチュラル・エシカルな商品・サービスの需要が高まる
- SNSによって非倫理的なサービスや商品の情報がすぐに拡散され、企業やブランドが毀損されるリスクが高まる
- フードサプライチェーンの透明化が進み、生産者と消費者の直接的なつながりが強化され、地産地消や都市農業が拡大する
トレンド
環境に配慮したサーフブランド「Galapagos.406」
VISION&Co.は「エシカル×サーフ」をテーマにした環境に配慮したサーフブランド「Galapagos.406」を展開している。
普通のコットン栽培では害虫駆除、落葉剤などたくさんの化学肥料と農薬が使われており、土壌や水質への環境負担がとても大きいが、オーガニックコットンを使用することで、安全性に配慮したコットン栽培を行い、土壌や水質汚染を防いでいる。また、農薬や化学肥料の使用を抑えた有機農法で生産されているため、生産農民の健康被害を抑制することにもなり、オーガニックコットンの積極的な使用は、綿花栽培に携わる人々を守ることにも繋がっている。
洋服の生地の厚さにもこだわっており、繰り返し洗濯をしても襟元や裾がヨレにくくなっている。日本で焼却または、埋め立てられる洋服は1日に130tにも及ぶ。Galapagos.406では一着に対する想いや素材、質に対するこだわりをより分かりやすく発信し、買った人に少しでも長く着てもらえるようなブランドとなっている。
エシカルジン『LAST 』
エシカル・スピリッツは「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」を目指し、未活用素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所を運営する。
同社のシグニチャージンブランド『LAST』では、精製後にその多くが廃棄される酒粕をリユースすることで、その価値が余すところなく循環する「蒸留プラットフォーム」を体現している。また、『LAST』は、これまでに、酒粕約21トンの利活用、CO2e約5.2トンの削減を達成し、未活用素材からジンを生み出す「エシカルジン」の基盤を作ってきた。そして、一般的なジンの数倍の量のボタニカルを使用しており、キャッチコピーで「それはまるで、飲む香水」と謳うにふさわしい華やかなフレーバーが特徴となっている。
ウイスキー業界で最も権威のある品評会WWAのジン部門「World Gin Awards 2021」での国別の最高賞を、英国「IWSC2021」では最高賞である GOLD OUTSTANDING を受賞し、世界での上位9の作品に日本勢といて唯一選ばれるなど、嗜好品としても高く評価されている。
采茶〜SAICHA(サイチャ)
ピー・エス・インターナショナルが展開する、静岡県の耕作放棄地からアップサイクルした「茶の実」の希少なオイルを使用したスキンケアブランド「采茶〜SAICHA(サイチャ)」は、オーガニックコスメ研究、オーガニックコスメメイクアップの第一人者 小松和子氏が主宰する 「Natural Life & Beauty Association(ナチュラルライフ&ビューティーアソシエーション)」が推奨する「リアルオーガニック・ナチュラル®コスメ」に認定されている。
リアルオーガニック・ナチュラル®マークは、本物のオーガニック・ナチュラルコスメの指標となる13基準を満たした製品。
美容・健康・教育関連事業を通して環境と健康に配慮したエシカルなライフスタイルを提案し続けている。
・国連サミット(2015)で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」には「持続可能な消費と生産」の項目が設けられている
・地球資源の枯渇、地球環境の汚染といった問題の認知が進み、生活者も環境問題に対する意識が向上。エシカル志向(環境や社会に配慮して行動する考え方)が広がりを見せている
・2018年には、英バーバリーがブランド価値維持のため、売れ残り商品を焼却処分していたとして、世界的にバッシングを受けた
・ECサイトのクラダシは、新型コロナ感染拡大により生じた飲食店やホテルの食品ロスを改善するため、賞味期限切れが近づく食品を中心に扱うサイトを開設している
基本的には在庫を持たず、商品が売れればメーカーから宅配業者を通じ、購入者の元へ届けられる仕組み
・環境に配慮したライフスタイルや企業活動、社会貢献活動、倫理的消費(エシカル消費)に対する意識・関心が広がりをみせる
・あえて白髪を染めないグレイヘアが流行している。繰り返しの白髪染めによるヘアダメージの懸念と、自然派美容を好む人によって支持されている。近年の多様化の価値観拡大も、流行の要因と考えられる
・現在利用しているオーガニック商品では、食品と美容が人気である。今後購入したいオーガニック商品のジャンルについては「衣類」が、現在の利用率と比べ大きく伸び注目が集まっている
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