シェアリング志向とは?
所有よりも共有や利用に価値を置く考え方や生活様式を志向する人が増加している。背景には、環境問題への意識の高まり、テクノロジーの発展によりマッチングが容易となること、若い世代を中心とした「所有」に対する価値観の変化、低所得層の増加、都市化の進展と生活空間の効率的利用の必要性の高まりなどがある。場所・モノ・スキル等のシェアリングエコノミーが拡大し、コミュニティや社会的つながりが重視されるようになるといった影響が予想される。
技術の進展と職業の変化に基づく、所得格差の拡大が進む一方で、ミニマリスト(モノの所有を最小限にするライフスタイル)と呼ばれる人々が増加する。特にミレニアル世代の過半数は、モノよりコトを重視する傾向があり、シェアリングエコノミーと親和性が高い。
予想される未来社会の変化
- 低所得でも幸福感を高く保つ人々(選択的低所得層・ニュースタイルプア:労働時間が短く、金銭以外の楽しみの時間を大切にする人たち)が増え、シェアリングエコノミーで支え合うようになる
- 地域やテーマ別のシェアリング経済圏が発達し、相互扶助型の社会システムが再構築される
- 所有からアクセス権への価値シフトが進む
トレンド
リレント(Re-rent)
Unitoは東急不動産と連携し、東急不動産が開発する賃貸レジデンス「COMFORIA(コンフォリア)」ブランドにUnito独自の料金システムである「帰らない日は家賃がかからないリレント」の仕組みを導入した物件「コンフォリア東新宿」を提供している。
「リレント(Re-rent)」は、Unitoが開発した日本初の料金システムであり、居住者が帰らない日は部屋を宿泊者に貸し出すことで、住んだ分だけの家賃で暮らすことができる。
二拠点生活や出張、長期の旅行など、さまざまなライフスタイルに対応し、フレキシブルな暮らしを実現する。
2024年 タクシー配車アプリ・ライドシェア利用動向調査
ICT総研の「2024年 タクシー配車アプリ・ライドシェア利用動向調査」によると、2024年末の日本国内のタクシー配車アプリの利用者数(ユニークユーザー数)は1,664万人と推計される。利用者数はアプリの普及と配車サービス登録車両の拡大により今後も増加傾向で、2025年に1,775万人、2026年に1,915万人、2027年末に2,055万人になると予測した。ライドシェアサービスの利用者数は2024年末に81万人、2027年末に452万人に増加すると見込まれる。
また、別のWebアンケートでは、最近1年以内にタクシー配車アプリを使って配車サービスを利用したことのある人は889人、利用したことがない人は3,466人であった。利用者は20代~40代が約74%を占めている。Webアンケートを実施した4,355人のうち利用率は20.4%。約8割の人がまだ利用経験が無いが、3年前の調査時点の利用率14.8%から5.6%増加しており、今後も需要が拡大する見込みであることが分かった。
・ミニマリスト(モノの所有を最小限にするライフスタイル)と呼ばれる人々が出現している
・平均年収の下落など、様々な要因に起因して、消費者の所有欲求が低下している
・都心回帰により、個人の居住スペースが縮小。都市の人口密度は上昇
・海外においては、スタートアップの4割がシェアリングエコノミーに関連する企業であり、成功例出てきている
・タクシー、レンタル、ホテル業界を中心に、既得権益者からは反対論が強い。Uberは日本含め、海外でも規制の動きが出てきている
・日本ではNTTドコモも自転車シェア、カーシェア事業を展開している
・中国系のシェアリング事業者の日本参入も増加している
・異業種からのシェアリング事業参入が見られる(アイウェアのJINSによる高級シェアオフィス等)
・新型コロナウイルスの影響で、モノや場所をシェアする、人と人がつながるというシェアリングの基本コンセプトが困難を迎えている。一方でサービスのシェア(業務代行)を提供するプラットフォームのニーズが高まっている
・シェアリングエコノミー協会試算によると、2030年のシェアリングエコノミーの市場規模は、現状のペースで成長した場合5兆7千億、成長の課題が解決した場合は11兆1千億であるとされる
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