c-50 : プロシューマーの増加

プロシューマーとは?

プロシューマーとは、生産者(Producer)と消費者(Consumer)を組み合わせた言葉で、商品やサービスの消費だけでなく、その企画・開発・生産プロセスにも積極的に関与する新しい生活者像を指す。プロシューマー化はクラウドソーシング、3Dプリンティング、ソーシャルメディアの普及により加速する。消費者参加型の商品開発が増加し、ユーザーのニーズや創造性が直接製品に反映されるようになる。消費と生産の概念が融合し、創造性の価値が高まる可能性もある。

予想される未来社会の変化

  1. インフルエンサーや一般の消費者が、商品の提供・生産のプロセスにも関わるようになる
  2. ライフスタイルやコンセプトの文脈に沿った商品・サービスの提案がなされる
  3. 企業はより積極的に消費者とコミュケーションを取るようになり、売り手・買い手という一方的な関係から共創的な関係性になっていく可能性がある
  4. CtoCのプラットフォームやD2Cブランドがますます活況を呈する

トレンド

クラブサンスターカフェ

出典:PR TIMES『サンスター、お客様と一緒に創るコミュニティ「クラブサンスターカフェ」開設!』

サンスターグループはお口やカラダによい生活習慣を身につけるための情報サイト「Club Sunstar(クラブサンスター)」内にて、ユーザーが集い、会話を楽しむことができるコミュニティ「クラブサンスターカフェ」を開設。

「クラブサンスターカフェ」では、日頃よりサンスター製品を愛用しているユーザーが集い、オーラルケアをはじめとした健康についての内容をはじめ、暮らしに関する様々なテーマで会話を楽しむことができる場所になっている。

オーラルケアをはじめとした健康に関する会話を行うことができる「健康・生活のお話し」やサンスター製品担当者とブランドや製品についての意見交換ができる「ブランド・製品のお話し」などのメニューを通じて、ユーザー参加型のコミュニケーションやユーザー同士の交流を楽しめる。

既存の情報サイト「クラブサンスター」とあわせ、本コミュニティでは交流に特化したコンテンツを拡充予定。また、将来的には、ユーザーからのアイデアや声を反映させた製品やサービスの開発、リアルイベントの開催なども予定している。

島原ハム ポークソーセージカツ(5個入)

出典:PR TIMES「SNSの声から生まれた!冷凍のまま揚げるだけの『島原ハム ポークソーセージカツ(5個入)』6/1から発売」

大光食品は、人気No.1商品「島原ハム ポークソーセージ」をカツにした新商品『島原ハム ポークソーセージカツ(5個入)』を発売。この新商品は、2022年3月にX(旧Twitter)で行われた投稿がきっかけで誕生した。その投稿には6,000件以上の「いいね」がつき、公式Xでも拡散された。これにより、多くのファンが「島原ハム ポークソーセージ」をカツとして楽しむ様子が目立つようになり、公式Xでも「カツにしたら美味しい」と発信されると、「揚げるだけの商品が欲しい」という要望が多数寄せられた。

また、取引先からは「島原ハム ポークソーセージ」を使ったソーセージカツやカツカレーがメニューとして提供されていることが分かり、店舗での負担を軽減できる揚げるだけの商品を開発することになった。

2024年3月には業務用の『島原ハム ポークソーセージカツ(10個入)』が先行発売され、ランチや惣菜メニューとして既に使用されている。

消費者アンケートでは約60%の人が「肉厚のハムカツ」を望んでおり、その結果を反映して肉厚のカツを目指して試作が行われた。試作の過程では、カツの厚さに関する課題が多く、衣とのバランスや調理時間、食べやすさなどが考慮された。社内での試食とアンケートを繰り返し行った結果、最終的には厚さ2cmという結論に至り、ソーセージの美味しさと食べ応えを存分に味わえる商品が完成した。


・プロシューマーは、アルビン・トフラー(Alvin Toffler)の著書「第三の波」(1980年)の中で提唱された概念である。近年は、ネット上で消費者間での商品やスキルシェアリングができるようなプラットフォームもあり、多くの消費者がプロシューマーとなる可能性がある。(【図解】プロシューマーとは何か? 自ら製品開発して販売する消費者ビジネスの仕組み

・プロシューマーとして生産に関わる在り方として、消費者参加型製品開発がある。これは、消費者が企業の製品企画・開発から携わることであり、情報感度の高いインフルエンサーに限らず、一般の消費者も含んでいる。

・サッポロビールは2015年に、Facebook上で約17,000人のビールを愛好する消費者と共同してビールを開発している。「百人ビール・ラボ」というプロジェクト名で、中身特徴はもちろん、デザインも含めて共同し、期間限定でビールの販売も行った。( プレスリリース:「サッポロ 百人のキセキ 魅惑の黄金エール」限定発売

・また、プロシューマーとして生産に関わる在り方として、自身で開発・提供する方法がある。メルカリやminneをはじめとした、ネット上のC to Cプラットフォーム、シェアリングエコノミーはこの在り方を後押しするだろう。( 東京財団政策研究所:シェアリングエコノミーと統計改革〈政策データウォッチ(11)〉

 

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