c-38 : 社会リソース活用の最適化(不動産・エネルギーなど)

社会リソース活用の最適化とは?

社会リソース活用の最適化(不動産・エネルギーなど)とは、社会リソース(道路や上下水道、エネルギー、公園、公共施設といった社会インフラをはじめ、行政や法人、個人が所有する公共性・公益性の高い資産も含む)の効率的な管理・活用が進むことである。

社会リソースは今後、公共性の高い資源やエネルギーといった社会リソースのID化とトレーサビリティー、需給の可視化と領域を超えた統合的なデータ管理や資産管理が行われ、個人や地域や行政といった単位での個別最適化とより広い範囲での全体最適の両立が可能になると予想される。

従来のような個別的な管理・運用では部分的にしか実現できなかった環境負荷の低減や資源・施設の有効活用が進み、インフラの維持・管理に苦慮している公共セクターを含む、官民横断の領域での市場が形成されるだろう。

インフラの老朽化が進む一方で、地方自治体などの財政の逼迫や労働力不足が深刻化しており、インフラの管理・運用の効率化や官民を横断する取り組みが必要である。また、世界的な資源不足とサステナビリティー意識の高まりなどを背景に、高い社会資源を有効活用することがますます強く求められ、サーキュラーエコノミーやシェアリング、フェーズフリーの考え方を取り入れた取り組みも広がっている。

効率的な社会リソース管理を実現する鍵となるのは、IoTデバイスやセンサー、カメラ、ドローン技術等の発展である。公共施設や公共交通機関などのインフラは、各要素がIDを持ち、IoT技術やセンサー技術を用いた調査・測定、モニタリングによるプロセス全体の把握・管理を行うことで、ロスを減らし効率的な管理が実現される。 エネルギーについても、需給の可視化と全体最適化が可能になることで、オフグリッドや分散型電源、電力のシェアリング・融通、デマンドコントロール、V2G(Vehicle to Grid)、 仮想発電所(VPP:VirtualPower Plant)などが拡大すると考えられる。

予想される未来社会の変化

  1. AIによる需給マッチングシステムが高度化し、人材や物資の遊休時間が大幅に減少する
  2. シェアリングエコノミーが進化し、個人所有の概念が大きく変化する
  3. オープンイノベーションプラットフォームにより、知識や技術の社会全体での活用が最大化する
  4. エネルギーのプロシューマー化が進み、小規模分散型のエネルギー供給網が形成される

トレンド

HOTEL R9 The Yard 豊前

出典:LIFE「災害時に客室ごと被災地に移動できる!「レスキューホテル」とは?」

デベロップが運営する福岡県豊前市のコンテナホテル「HOTEL R9 The Yard 豊前」は普段は建築用コンテナモジュール一台を一客室としたホテルであり、客室内はシモンズ製のベッドやユニットバス、電子レンジ、冷凍冷蔵庫などが備わっているが、客室の下にタイヤがついており、災害時にはトレーラーヘッドと接続してけん引することで、客室ごと被災地に移動できるレスキューホテルになっている。災害時に避難所や診察室として利用できる。

PLAT UMEKITA

出典:PR TIMES『TOPPAN、大阪・梅田に体験型共創拠点「PLAT UMEKITA」を開設』

TOPPANは、三菱地所を中心とするグラングリーン大阪開発事業者JV9社と共に、大阪・梅田に約45,000㎡の都市公園「うめきた公園」を開発し、その中に「PLAT UMEKITA(ぷらっとうめきた)」という体験型共創プラットフォームを2024年9月6日に開設。

この施設は、CINRA、ハーチ、学校法人先端教育機構の事業構想大学院大学と連携し、エシカル、サステナブル、ウェルビーイングといった新しい価値観を楽しい体験として提供する。

TOPPANが提唱する「エシカルテインメント」という造語は、倫理的な要素と娯楽を融合させたもので、企業のエシカルな活動や製品、サービスを楽しい体験としてデザインし、生活者を巻き込んで情報発信を行う。

多様な体験型プログラムを通じて、都市公園の魅力を国内外に広め、開発事業者や地域住民、クリエイター、企業、学術団体、自治体などと連携して新たなプロダクトやサービス、事業の創出を目指す拠点として機能。これにより、社会的価値創造企業として持続的なまちづくりに貢献することを目指す。

施設は「大屋根施設」の中心に位置し、仕切りのないオープンスペースで構成されており、INFO(情報発信ゾーン)、IDEA LAB.(自主企画ゾーン)、GALLERY(多目的ゾーン)に分かれている。

電力リサイクルループ

出典:PR TIMES「JR東日本グループによる食品廃棄物の『電力リサイクルループ』推進~分別から再エネ活用までグループ全体で連携して取り組みます~」

JR東日本グループは、エキナカ・駅ビルなどから排出される食品廃棄物をバイオガス化し、生み出された再生可能エネルギーをグループ内施設で利用する『電力リサイクルループ』を2024年4月より順次実施する。

これまで、廃棄物の排出事業者が同様の取り組みを実現するためには、分別の負担に加え、収集運搬事業者や処理事業者、小売電気事業者と個別に調整する必要があった。今回、JR東日本グループ及び関連会社21社が連携して各役割を担うことにより、さらなるサーキュラーエコノミーの推進を後押しする。食品廃棄物由来以外の電力も含め実質再エネ100%を供給予定。

 

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