MaaS(Mobility as a Service)とは?
MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、ひとりひとりの移動ニーズに対応して、複数ある移動手段から最適な移動手段を組み合わせて提供するサービスの概念である。スマートフォンやパソコンで目的地を入れるだけで、最適な移動ルートを検索・予約・決済までを一括で済ますことができる。移動手段の選択肢には、電車やバスなどの公共交通機関だけでなく、飛行機やレンタカーやシェアサイクルなどの様々な移動手段が含まれる。
MaaSが実現することで、以下のような課題を解決することが期待されており、国土交通省もMaaSの早急な普及に取り組んでいる。
- 地方や観光地の移動利便性向上
- 齢者の移動手段確保
- 渋滞の緩和
- 環境負荷の低減
MaaSの起源であるフィンランドを始めとして、ドイツ、台湾などではすでにサービスがローンチされており、普及が進んでいる。
予想される未来社会の変化
- デジタルネットワークにより、多様な交通手段が統合され最適化される。
- 経営が困難になっている公共・民間の交通サービスの存続が可能になる。
- 移動手段を個人で所有する必要がなくなり、エネルギー・資源消費の最適化される。
- 自動運転車やパーソナルモビリティなどの新たな移動手段も統合される。
- 運行データなどが統合管理されることで、地域マネジメントにも活用される。
トレンド
全国展開を進めるMaaSアプリ「my route」
my routeはトヨタと西日本鉄道が2018年11月から実証実験を始め、2019年11月に実用化されたスマートフォン向けマルチモーダルモビリティサービスである。実証実験を行った福岡市では訪日外国人専用1日フリー乗車券「FUKUOKA TOURIST CITY PASS」をデジタル化し、my routeで購入が可能となった。利用可能エリアは北九州や横浜、宮崎市、水俣市などで順次全国展開をしている。
小田急電鉄によるMaaSアプリ「EMot」
小田急電鉄により開発されたスマホ用MaaSアプリ。観光地のデジタルチケットの購入やルート案内、ロマンスカー特急券の購入等のサービスを提供している。箱根や湘南、熱海など観光地エリアをメインに展開。チケットの譲渡機能もあり、家族や団体で出かけるときなど、別のアカウントに移行させることが可能。
高齢者向けMaaS「芽室MaaS」
2022年1月に北海道芽室町で開始された高齢者向けのMaaSサービス。ドライバーと商業施設の連携による買い物支援サービスやタクシー車内での買い物発注機能などを独自開発。高齢化や過疎化が進んでいる地域の移動手段を確保し公共交通空白地の交通需要の調査を行う。
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