c-30 : 地産地消の拡大

地産地消の拡大とは?

地域で生産された農林水産物を地域内で消費することを指す。輸送に伴う環境負荷の低減と地域の食文化保全につながるメリットがある。エシカル消費の手軽で継続的な実践方法としても支持を集めている。

テクノロジーの発展により、都市型垂直農業やAI制御の小型植物工場の普及で、都市部での食料生産が可能になり、究極の地産地消が実現することも予想される。

予想される未来社会の変化

  1. 生産と消費の統合的管理の推進
  2. 地方創生の活性化につながる

トレンド

大和高原直送便

奈良市及び一般社団法人Local Coop大和高原は、日本郵便株式会社の地域内配送サービス「ぽすちょこ便」を活用し、月ヶ瀬地区の特産品の、市街地の飲食店への流通を促進する新たなサービス『大和高原直送便』の提供を開始。

月ヶ瀬地区では、季節の旬の野菜や大和茶、梅干し、しいたけなどの特産品を直売しているが、市街地から離れていることから購入される機会が少なく、一方、域外への販売については、配送料など販売に係るコストの高さや販路獲得の難しさから、特産品の消費量が伸びず、食品ロスの発生や生産の意欲減退などの課題があった。 

そこで、日々運行されている郵便車両の空きスペースを活用した安価な地域内配送サービス「ぽすちょこ便」を活用するとともに、一般社団法人Local Coop大和高原が中心となり奈良市街地の飲食店とのマッチングを行うことで、月ヶ瀬地区の特産品を、市街地の飲食店に流通させる持続可能なサービスを実現した。多くの人に特産品を味わってもらうことで、地産地消の拡大、食品ロス対策、地域産業の維持を目指す。

地産地消の廃棄物発電による電力供給

出典:PR TIMES「コスモエネルギーグループ初となる、廃棄物発電による電力供給開始 ~藤沢市の87の公共施設に提供し地産地消を推進~」

コスモ石油マーケティングとコスモエネルギーソリューションズは藤沢市の北部環境事業所の廃棄物処理時に発電する電力を、藤沢市本庁舎や市立小中学校等87施設へ2024年4月1日から供給開始した。

廃棄物発電とは、廃棄物の焼却時に発生する熱を利用して蒸気を作り出し、タービン(熱エネルギーを運動エネルギーに変換する装置)を回すことで電力を得る手法。廃棄物の再利用することで資源の有効活用に繋がり、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量を削減することができる。

藤沢市北部環境事業所(発電出力8,440kW)で廃棄物(ゴミ)処理で発電した余剰電力をコスモエネルギーソリューションズが買い取り、藤沢市の公共施設に供給を行う。市内の家庭や事業所、公共施設等から回収された廃棄物を、CO2排出量ゼロの電気に生まれ変わらせることが可能。電力の地産地消を推進する。

ジモノミッケ!®

出典:PR TIMES「南阿蘇村と凸版印刷、農産物の地産地消を支援する需給マッチングプラットフォームの実証実験を開始」

熊本県南阿蘇村と凸版印刷は、南阿蘇村および近隣地域で収穫された農産物の地元での消費を目的として、地域の生産者と実需者をアプリ上でつないで需給情報をマッチングする実証実験を、2023年8月28日~2024年3月31日に共同で実施。本実証では、凸版印刷が開発した農産物需給情報のマッチングプラットフォーム「ジモノミッケ!®」の南阿蘇版を構築し、活用した。

「ジモノミッケ!®」は、直感的に操作ができるインターフェースを持つ需給マッチングプラットフォーム。生産者は「供給情報」、実需者は「需要情報」をPCやスマートフォンで登録可能。入札や落札などマッチングの状況はリアルタイムで確認でき、マッチング後は指定日時に専任の配達員が農産物を集荷し、実需者に納品する。無線通信タグを貼付したコンテナによるトレーサビリティ・温度管理ができる仕組みを導入し、安全な物流体制を構築している。

また、「ジモノミッケ!®」は、今回の南阿蘇版より一次加工品と花卉のカテゴリを追加するほか、売上げや値動きが一目で分かるダッシュボード機能も新たに実装している。

今後は、導入自治体同士での連携を行う広域連携モデルを確立し、農産物の最適な物流網の構築に貢献することを目指している。


・Instagram投稿の調査から、地元で生産したものを地元で消費して応援する「地産地消」に加えて、地元で消費する為に地元で生産する「地消地産」も行われていること、魚・肉や野菜・果物など食材に加えて、大福やビールなどの加工品も応援消費されていることがわかった。郷土料理だけではなく、伝統野菜など、その地域ならではのものも地産地消として重視されている投稿も確認され、作りやすさだけではない地域にとっての重要性も見直される可能性がある。

・農林水産省は、地産地消促進のために交付金を支給したり、地産地消への優れた取り組みを行う団体・企業・個人に対して表彰を行うなどの活動を行っている。

・2020年にクックパッド、町田市、JA町田市は連携協定を締結し、生産者から直接、送料無料で買い物ができる生鮮食品EC「クックパッドマート」を活用することで地産地消への取り組みを強化した。市内の消費者がサービスを利用しやすい環境を整備することにより、市内生産者の農産物を出荷当日に市内消費者に届けることが可能になり地産地消の推進を行っている。(出典:クックパッド プレスリリース

・農林水産物だけではなくエネルギー分野でも地産地消の概念は注目されている。

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