eスポーツ・テクノスポーツ市場の拡大とは?
eスポーツの市場規模は急成長を続けている。テクノスポーツとは、最新のデジタル技術を活用して創出または拡張された新しい形態のスポーツを指す。xRや5Gの普及により、新たな競技形態や観戦体験が生まれつつあり、世代やハンディキャップを超えて参加可能なスポーツとして注目を集めている。従来のスポーツとの融合や、バーチャル空間での新競技の誕生、教育やリハビリテーションへの応用も期待される。
予想される未来社会の変化
- eスポーツの認知拡大により、スポーツの定義自体が変化する
- インドア型のスポーツが主流化する
- 身体的なアクティビティの満足度の高さ、精神的な便益の高さが高く評価されるようになる
- VR/AR技術の発展により、さらに臨場感にあふれる体験が可能となる
- アスリートとファン、ファン同士の交流がバーチャル上で実現する
トレンド
R-FIGHT
ロボットライドは装着者の身体と心を拡張する装着型ロボット「スケルトニクス」を開発し、クラウドファンディングを行っている。
スケルトニクスはモーターや電気などの動力を使わず、中の人間の力で簡単に操作できる外骨格ロボットであり、他社の100分の1程度のコストで搭乗型ロボットを開発した。
そして、ロボットを装着して対戦するテクノスポーツ「R-FIGHT」を開発し、2024年4月24日より、RED°TOKYO TOWERの常設アトラクションとして提供を開始。国内外で楽しまれている。
クラウドファンディングによって「R-FIGHT」の更なるヒットを目指している。
NTTe-Sports高等学院
NTTe-Sportsは、2025年4月に千葉県千葉市にeスポーツを通じて社会で活躍できる力を育む通信制サポート校「NTTe-Sports高等学院」を開校。さらに、2024年7月16日から、2025年4月に新高校1年生となる予定の千葉校第一期生50名の募集を開始。
eスポーツをきっかけに学生たちが1つになる姿や、デジタルスキルを楽しく吸収している光景から、教育分野におけるeスポーツの可能性や価値を再認識し、これまでの支援からより踏み込んだ教育事業として、eスポーツカリキュラムとeスポーツから広がるデジタルスキルが学べる通信制サポート校を開校することを決定した。
NTTe-Sports高等学院の設立にあたっては、ディー・エヌ・ケー(DNK)との連携により、高卒資格の取得や学業の全面的なサポートを行い、きめ細やかな教育活動が実現される。
具体的には、NTTe-Sportsが開発した独自のeスポーツスキルアップカリキュラムと、ビジネス関連のカリキュラムが提供される。
eスポーツスキルアップカリキュラムは、東京大学のeスポーツサークル(UTeS)との共同開発によって、体系的にスキルを高める内容が組まれている。
ビジネスカリキュラムには、NASEF JAPAN全日本高校eスポーツ選手権などのイベント開催実績に基づいた企画カリキュラムや、NTTe-Sportsが出版した教材「eスポーツ学習 ビジネス基礎」や「eスポーツ学習 コミュニケーション基礎」を用いたeスポーツビジネス講座が含まれている。
このように、NTTe-Sports高等学院は、eスポーツを通じて学生に多様な学びの機会を提供し、未来の人材を育成することを目指す。
都市型XRスポーツ「AIR RACE X」
AIR RACE X(エアレース・エックス)は、世界最高の飛行技術を持つパイロットたちが参加する空のモータースポーツであり、最高時速400km、最大重力加速度12Gの中でレース専用小型機を操縦し、その正確さとタイムをリモート形式で競い合う。
パイロットたちは、世界各地に設けられた同一のレーストラックを飛行し、機体に搭載されたセンサーによって計測された精緻なフライトデータをもとに、誤差3cmという高精度でタイムを競う。
2024年のシリーズでは、世界中から8名のパイロットが参戦し、5月と9月にはオンライン配信での「リモートラウンド」、10月にはオンライン配信に加えXRでも観戦できる「デジタルラウンド」の計3レースを予定。
「デジタルラウンド」は、ホストシティの実際の街並みに合わせてレーストラックが設計され、決勝トーナメントでは空間レイヤープラットフォーム「STYLY」のXR技術を用いて、機体がホストシティ内に出現。観客はスマートフォンやヘッドマウントディスプレイを通じて、レースを間近に観戦することができる。
STYLYは、AR、VR、MRを駆使した空間コンピューティングプラットフォームで、現実の都市空間や生活空間にデジタルコンテンツを制作・配信することが可能。
また、今シーズン新たに創立された「リモートラウンド」では、特定のホストシティが設定されず、物理的な制約が少ないため、多様なレーストラックの設計が可能となり、チームの戦略やパイロットの操縦技術がさらに試されることになる。
・eスポーツの2017年の市場規模は6.6億ドルであったが、2022年には29.6億ドルに達すると予測される(ゴールドマンサックス(2017))
・新型コロナウイルスの拡大で、遠隔対戦が可能なeスポーツのイベントは増加し、災害などにも耐性があるスポーツとして注目を集めている
・xRを用いた、リアル×バーチャルの新しいスポーツ(Hado、CYBER WHEEL Xなど)も登場している
・eスポーツのメリットとして、世代やハンディキャップを超えて競技が行える点が挙げられる
障害者もトッププレイヤーとして活躍し、日本においては障害者向けのeスポーツ大会やeスポーツ講習が行われている
高齢者施設でアクティビティとしてeスポーツを取り入れている事例もあり、今後広がっていくことが予測される
・VRのさらなる普及により、スポーツの鑑賞体験が変化することが想定される。視聴行動がテレビ番組からオンデマンドのコンテンツへと変化し、視聴者との直接的な関係構築が可能となっている。一方、生放送の価値は低下している
・5Gの普及により、リアルタイムで様々な角度のカメラにアクセスし、好みの視点で試合を観戦できたり、バーチャル空間で観戦者同士のインタラクティブなコミュニケーションが実現すると考えられている
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