個人信用スコアとは?
個人信用スコアによって、個人の支払い能力や消費行動の適正さがデータ化され、様々なサービスで活用される。貨幣経済から評価経済へのシフトが進み、個人レーティングの影響力が増大している。金融サービスだけでなく、雇用や住宅賃貸など幅広い分野での利用が広がる一方で、公平性の担保やアルゴリズムの透明性確保が重要な課題となり、個人の権利保護と社会的利益のバランスが問われる。
予想される未来社会の変化
- デジタル技術の進展により個人の行動履歴が容易に蓄積・評価できる様にようり、各個人の意識や生活習慣に最適化されたサービスを提供することが志向されている
- 個人別の評価結果を信用スコアとして定量化することで、適切な便益の提供や応分なリスク負担を求めることが可能となる
- どのような主体がどのような規範に則って信用データを管理するかの議論と制度整備が進む
トレンド
M.Score
みらいスコアとテンソル・コンサルティングは金融機関の顧客データ利活用を促進するための「SaaS型信用スコアモデル」として「M.Score」本格版アプリをリリースし、一般の個人顧客が利用できるようになった。
「信用スコア」とは、個人顧客がスマホで質問に回答すると、一人ひとりの信用度がスコアとして見える化され、スコアに応じてローンの条件が優遇されるほか、様々なレコメンドや金融・非金融の優遇特典が受けられるサービス。「M.Score」は、金融機関が自らスコアモデルを保有せず、SaaS利用料だけで信用スコアサービスの導入ができ、このサービスを導入することで、金融機関は初期投資を抑えながら短期間かつ簡単に信用スコアを活用したスコアカードローンなどの新サービス提供が可能となる。
自分の信用スコアを確認することもできる。今後はM.Scoreを活用した様々な金融、非金融のサービスを展開し個人顧客のライフスタイルを支援する。
StockFormer
ZIRITZ(ジリッツ)が運営するプラットフォーム「StockFormer」では、個人投資家ユーザーの資産状況をスコアリングし、投資家としてのポジションやステータス、金融機関等からの信用力を把握することで明確な指針を手にすることを可能としている。さらにはプライバシーを守りつつ、不動産会社・専門家から物件提案を受けることができ、多くの個人投資家に利用されている。
個人投資家のニーズが高い「新築デザイナーズアパート・表面利回り7%超・フルローン付き」という条件を満たす土地・建物プランを、土地情報などのビッグデータから独自のデジタル技術により自動生成し、個人投資家のスコアに応じて提案・新築するサービス「SF-ZERO」も行っている。
FISTY
INTER BLUEは健康・スポーツ・トレーニング特化型の総合スキルシェアサービス「FISTY」を開発している。
健康・スポーツ・トレーニングなど身体に関するサービスの提供者(パーソナルトレーナー、インストラクター、スポーツ教室など)と利用者を最適な条件で結びつける業界初の身体に関連する指導に特化したスキルシェアサービス。ユーザーがダイレクトに繋がることで、居住地域や生活圏に縛られることなく双方が自分に合ったお相手を相性から検索・比較することができる。
また、相互間の評価を通じて、サービスの品質を向上しており、本人確認機能導入済みの安心・安全な仕組みになっている。 FISTYではサービスの提供者、利用者の双方がお相手に対してレビューを送ることができる。当日キャンセルや音信不通、料金の未払い、情報漏洩等への対策として、高セキュリティな本人確認サービス「Polarify」も導入済み。
・個人信用スコアはこれまで、クレジットカード会社間の活用に限られるなどクローズドなものだった。
一方、ヤフオクやメルカリ等の個人間取引が活発になり、オープンな信用スコアが急速に拡大している
・背景には評価経済社会へのシフトがある。時間、信用、お金などの関係が可視化され、市場原理に基づいて取引されるようになる
・2015年、中国においては電子決済サービスのアリペイの付帯サービスとしてジーマ信用(芝麻信用)がサービス提供を開始。一般ユーザーが気軽に自分の信用スコア(350点~950点)を算出できるようになった
・ジーマ信用でのスコアが良くなると、賃貸サイトでの敷金が不要となる、旅行サイトでホテルを予約する際のデポジットが不要となる、街中で傘や充電器を無料でレンタルできる、シンガポールビザがとりやすくなる等のメリットがあるため爆発的に普及した
・Uberでは乗客がドライバーを評価するのと同様に、ドライバーも乗客を評価し、乗客のマナー向上を図っている。
例えば車内でものを食べ散らかしたり、定員以上の人数で利用したりしたといった過去の評価が、ユーザープロフィールに表示されることが抑止力になっている
・信用スコアは、公平性を毀損する弊害も存在する。2007年、米国ワシントン州では公平性が毀損されることを危惧して、就職面接に信用スコアを参照することを禁じる制度を導入している
・日本では2019年6月リクルートがAIを活用し、就活者の「内定辞退率」を算出、それを企業に就活者の同意なしに提供していたことが発覚し、問題となった。
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