b-25 : 消滅・破綻する地方自治体の増加

消滅・破綻する地方自治体の増加とは?

全国1729自治体のうち、2050年までの「消滅可能性自治体」は全体の約4割に当たる744自治体にのぼる(人口戦略会議)。若年層の都市部への流出により、多くの地方自治体で人口が急減し、税収の低下や行政サービスの維持が困難になっている。一部の自治体では財政破綻のリスクも高まっている。
これにより、地域コミュニティの崩壊や、住民の生活基盤の喪失が懸念される。

予想される未来社会の変化

  1. 地方自治体の吸収合併の加速。自治体ごとの地域格差の顕著化
  2. 低コストを売りにした自治体向けのアウトソース、受託サービスが急増、成長が見込まれる
  3. 海外のセクターによる行政機能支援サービスが増加する
  4. 地域の独自通貨の運用が活発化する

トレンド

JR芸備線における全国初の再構築協議会

出典:NHK「岡山発 どうなる?芸備線 全国初の再構築協議会」

岡山県と広島県の山間を結ぶJR芸備線は深刻な赤字路線となっているが、廃線意向のJR西日本と存続を希望する地方自治体とで意見が対立しており、各地の赤字路線でも似たようなケースになっていることがある。

そこで地方鉄道の赤字が続くなか公共交通を持続可能な形にしていこうと、法律の改正によって新たに「再構築協議会」という枠組みが作られ、国が協議会を設ける形で議論が進められるようになった。芸備線は再構築協議会が設置される全国で初めてのケース。

JR芸備線は運行本数がかなり少なく、近隣住民であってもJR芸備線ではなく、車で移動する人が多数派であるという実態がある。協議会では地域の事情にあった“公共交通のあり方”を探るべく、「鉄道の増便」や「ダイヤ変更」、「駅舎や駅前広場の活用」など利便性を高めることで、実際に利用者が増えるのか検証する実証事業を行うと想定される。

また、鉄道が走る区間をバスに転換した場合の効果を検証するために、並行して走る路線バスの本数を増やしたり、新たなバス路線のルートを作ったりして、バス転換による利用者の増減や生活への影響などを検証することにしている。国はこうした実証事業に年間に最大5,000万円を補助する方針である。

全国に前例がないため、注目が集まっている。

行政GAI

出典:PR TIMES『プロンプト不要!ワンクリックでChatGPTが官公庁・自治体業務を効率化。ギブリー、「行政GAI」に行政機関向けのプロンプトレシピ13種を追加。』

法人・行政向け業務改善ツール、AIチャットボット、AI-FAQなどを提供するギブリーは、「行政GAI (行政・ジーエーアイ)」に、ボタン1つで業務効率化できるプロンプトレシピの第四弾として、行政機関向けの「政策企画アシスタント」「政策評価アシスタント」「仕様書生成アシスタント」「仕様書チェックアシスタント」の提供を開始。通常必要となるAIに適切な指示を与えるための指示文(=プロンプト)が不要で、ワンクリックでChatGPTを活用した文章生成・言語処理が可能。

議事録などのテキストを入力し、実行したいアクションをボタンで選択するだけで、要約・評価・提案などの求める結果を得ることができるため、ITリテラシーの習熟度を問わず誰でも容易に業務効率化を実現できる。

今後、100種類のプロンプトレシピ実装を計画しており、この機能を通じて企業・行政機関の業務効率化を飛躍的に進めることを目指している。

デジタル地域通貨に関する実態調査

出典:PR TIMES「【デジタル地域通貨に関する実態調査】デジタル地域通貨の導入により42.1%の人が支払い額が増加すると回答!」

Digital Platformerが10代~70代の全国の男女453人を対象に行った、デジタル地域通貨(=自治体などが発行する特定の地域でしか使えないキャッシュレス決済サービス)に関する実態調査によると、自治体によるデジタル地域通貨の導入後には57.6%の人々が週に1~2回利用と回答するという結果であることが分かった。

また、自治体がデジタル地域通貨を導入することについて、賛成と答えた人の割合は73.5%であり、デジタル地域通貨が日本に普及する事によって地域経済の発展に良い影響を与えると思う人の割合の合計は59.6%であることが分かった。

この調査結果で、地方自治体による地域振興策の一環として、デジタル地域通貨の可能性が広く認識されていることが明らかになり、デジタル地域通貨の導入とその使用が、地域の経済活動の活性化を促し、経済成長を加速させるという意識が広範囲に浸透していることが示唆されている。


出典: 東京圏一極集中が続く:2045年までの将来推計人口 /nippon.com

・日本の人口は減少を続ける。地方の人口減少が加速し、2045年には東京圏の人口は31.9%となり、東京圏への一極集中が予想される

・人口の増減は、自治体による努力も多少は影響するものの、地方の衰退、財政逼迫は不可避である

・日本創生会議により、2040年に全国1,800市区町村のうち、半数が消滅すると発表された

・地方の人口の増減を決定する要因として交通があげられ、人口減と過疎化
による鉄道の赤字化・廃線が相次いでいる。
交通の寸断は地域の衰退に直結する大きな問題であり、特にJR北海道の廃線危機は深刻である

・自治体のコスト負担を避けるコンパクトシティ化が求められている。
日本はインフラの老朽化が進み、財政制約も踏まえ、コストを抑えたインフラの維持管理・更新を図ることが重要となる

・現在の自治体の存在意義は、教育、徴税、土木、救済、戸籍の事務処理など、近代国家として必要な行政上の管理をスムーズに行うことである
行政がテクノロジーを活用し、行政サービスのコスト削減を図ることが急務である

・ネットワークカメラの設置、一人暮らし高齢者世帯へのタブレット配布、子供が自宅で勉強できる制度など、ICTを利用したシステム導入を行うことにより、高いレベルの行政サービスを低コストで提供することができるようになる

 

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