b-17 : 高齢者有利社会・若年層の諦念

高齢者有利社会・若年層の諦念とは?

高齢者有利社会・若年層の諦念は、少子高齢化が進む先進国で顕在化しつつある問題であり、世代間格差の拡大が社会の分断を招き、持続可能な発展を阻害する可能性がある。政治的影響力や資産の偏在により、高齢者向けの政策や社会保障が優先される傾向がある。

若年層は雇用不安、住宅問題、教育費負担増などに直面し、将来への不安や社会への不満が高まっており、中国の「寝そべり族」のような無気力な層が増え、社会システム維持が困難となるおそれがある。

予想される未来社会の変化

  1. 若年層の政治参加意欲が低下し、高齢者主導の政策決定が常態化する
  2. 高齢者向け産業が経済の中心となり、若年層向けの市場が縮小する
  3. 若年層の起業や新規事業への挑戦意欲が減退し、経済の新陳代謝が停滞する
  4. 世代間の価値観の乖離が拡大し、社会の一体感が失われる

トレンド

シルバー民主主義の弊害

出典:ヤフーニュース「選挙になると注目高まる『シルバー民主主義』ってそもそも何?弊害や解決策は?」

日本では深刻な世代間格差が存在し、世代会計による推計では18歳世代が「団塊の世代」に比べ約4000万円の「損」をしている。この状況下で問題視されている「シルバー民主主義」は、高齢者の利益を優先する政治として定義される。

若者の低投票率も問題で、「選挙棄権コスト」として若い世代ほど高齢世代より年間数万円から十数万円の「損」を被っている計算になる。シルバー民主主義は経済成長の停滞や少子化の加速、若者の海外流出など、日本経済・社会全体にマイナスの影響を与えている。

対策としては、ドゥメイン投票や平均余命投票、世代別選挙区制により若者の投票ウェイトを重くする方法や、政治から独立した中立的な独立財政機関を設置してシルバー民主主義を監視・阻止する方法が考えられている。後者は多くの先進国で既に導入され、成果を上げている。

「FIRE」を希望する若年層の増加

出典:Forbes「8割が『FIRE』を希望、早期退職には資産がいくら必要か」

FIRE(Financial Independence, Retire Early)は、資産運用による不労所得で早期リタイアするライフスタイルを指す。AlbaLinkの調査によると、約8割の回答者がFIREを希望しており、主な理由は仕事からの解放や時間の自由な使用だった。一方で、生活の不安定さへの懸念もあり、副業と組み合わせた「サイドFIRE」も選択肢として考えられている。

若年層の諦念が広がると、早期に経済的自立を目指すことで、不安定な社会システムへの依存を減らそうとし、FIREがより魅力的な選択肢となる可能性がある。

 

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