世界的な気候変動リスクの増大とは?
世界的な気候変動リスクは、地球温暖化による極端な気象現象の頻発化と激化、海面上昇、生態系の変化などを通じて増大している。これらは食料安全保障、水資源、人間の健康、経済活動に深刻な影響を与え、特に発展途上国や沿岸地域、島嶼国は甚大な被害を受けるおそれがある。
温室効果ガス排出削減(緩和策)と気候変動影響への適応策の両面からの対策が急務であり、長期的かつ包括的な取り組みが不可欠である。
予想される未来社会の変化
- 気象・気候データの世界レベルでの統合処理と解析が進み、気候変動と要因の相関性が明らかになる
- 世界の穀物収穫量の伸びが鈍化し、収穫量も不安定化。世界的な食糧危機につながるリスクがある
- 食料価格が高騰する
- 日本ではこれまでに経験したことのない高温、強雨に遭遇する可能性が高まる
- 働く時間・活動時間の変化(真夏の日中はオフなど)
トレンド
先進防災技術
SAKIGAKE JAPANは、日本の防災および環境適応技術を世界に広めるために設立され、世界銀行主催の「防災グローバルフォーラム2024」に協賛・出展し、最新の防災ソリューションを紹介した。このフォーラムは、自然災害リスクを理解し、軽減するための国際的な取り組みを議論する場。
例えば、コールドストレージ・ジャパンが開発した「COLD STORAGE BOX Portable」は、太陽光発電式の小型冷蔵冷凍庫で、電源供給が限られる南太平洋の国々や日照量の多いアラビア諸国で高い関心を集めている。
また、Asterが提供する「ASTER POWER COTING」は、建物の表面に塗布することで耐震性を向上させる技術であり、特殊なガラス繊維を含むこの塗料は、震度7でも崩れない強度を持ち、施工が簡単でコストも抑えられている。この技術は環太平洋火山帯や中央アジア、アフリカの建物耐久性向上に役立つとされている。
さらに、humorousの「ナイトコンシェルジュ」は、高輝度蓄光素材を利用し、夜でも発光する電源不要の演出ツールで、設置が簡単で停電時に避難経路を示す機能も備えている。
SAKIGAKE JAPANは、防災・環境適応テクノロジー企業への営業支援や、企業・自治体向けに理想的なソリューションを提供するための防災データベースの開発・運用に尽力している。また、「国際復興フォーラム2024」や「防災DX官民共創協議会」への参加を通じて、防災の未来の構築に取り組む。
新型気象IoTセンサー「ソラテナPro」
ウェザーニューズとオムロンは新型気象IoTセンサーを開発し、ウェザーニューズより「ソラテナPro」として発売開始。
「ソラテナPro」は、気温・湿度・気圧・雨量・風向・風速・照度の7つの要素を1分毎に観測する小型の気象IoTセンサーであり、センサー開発を得意とするオムロンと、予報精度技術を誇るウェザーニューズが、両社の強みを活かして共創し開発した。同製品は、オムロンのセンシング技術によって雨風のセンサーの性能を高めており、災害リスクが高まる雨量50mm/h、風速50m/sの大雨・強風の観測が可能。
また、従来型の観測機は、設置が大掛かりで回線整備も必要なため手間がかかるが、「ソラテナPro」は小型で設置しやすく、電源を入れるだけで観測を開始できる。
なお、観測データはクラウドに保存されAPIなどで提供できることから、企業は観測データをクラウド経由で取得して、自社のシステムに組み込むことも可能。
クーリングシェルターで「キリン 世界のKitchenから ソルティライチ」を無料提供
キリンビバレッジは「キリン 世界のKitchen から ソルティライチ 500mlPET」と「オリジナル温度計付きカード」を、全国22都道府県 23自治体のクーリングシェルターにて、2024年7月11日(木)から無料提供を開始した。本施策は、『熱中症予防声かけプロジェクト』の熱中症対策啓発活動と連携した取り組みとなる。
2024年4月1日(月)に全面施行された「改正気候変動適応法」に伴い、「熱中症特別警戒アラート」の運用がはじまり、各自治体では熱中症特別警戒アラート発令中に開放する「クーリングシェルター」の設置ならびに運用が始まった。
「クーリングシェルター」は、熱中症特別警戒情報(熱中症特別警戒アラート)が発表された時に、誰もが利用できる暑さをしのげる施設として、自治体が指定した施設。公民館、図書館など、冷房施設を有し、誰にでも解放できるなどの、いくつかの要件を満たした施設が指定されている。
また、キリンビバレッジでは2019年より社員の「熱中症対策アドバイザー」資格取得を進めており、2023年は資格を持つ286名の社員が全国各地で「熱中症対策セミナー」などの啓発活動を行った。
同社は『熱中症予防声かけプロジェクト』への参画とともに、今後も「キリン 世界のKitchenから ソルティライチ」シリーズを通して熱中症対策の啓発をより強化し、最前線で熱中症対策の声かけを進めていく。
・地球温暖化により、地球の平均気温は長期的に上昇している。2030年には今よりも2度上昇するとされている
・温度が上がることで、豪雨が多く見られるようになる、穀物の収穫量が不安定化する可能性がある。また、降水のあるところ、ないところが極端化するようになり、砂漠化も進行する
・台風や竜巻による被害が増加する。特に強い風速、降水量を持った台風が発生する可能性が高まり、災害への対策が求められる
・世界の洪水リスクが増加。特にアジアは高温多湿、多雨の環境になることが予測される
2011年にタイで起きた洪水では多数の死者と、4,000億円もの経済損失を出し、自然災害による経済損失の大きさは東日本大震災、阪神大震災、ハリケーン・カトリーナに次ぐ大きいものであった
・日本が亜熱帯化。感染症媒介蚊の生息域が本州に拡大し、疾病リスクが高まる。また渇水や高波、高潮リスクが増加するなど、対策に迫られる
・日本では台風に負けない、強い農作物の改良技術が求められる
・30年以内に、東海地震、東南海地震、南海地震の3つの巨大地震および、首都直下地震が、60%~約90%の高い確率で発生すると予測されている
・日本は火山大国であり、どの火山も噴火の可能性がある
2020年5月には、日本政府が富士山が噴火した際のシミュレーション結果を公表した。富士山が噴火した場合、首都圏での大規模停電や電波遮断など、様々な事態を招く。バックアップ回線、電源などを常日頃から個人・企業・国といったそれぞれのレベルで対策しておく必要がある
関連記事
\未来コンセプトペディアを活用してアイデア創出してみませんか?/
新規事業・新サービスアイデア創出ワークショップ
新規事業立ち上げの種となるアイデアを創出し、新たな領域への挑戦を支援します。