デジタルツインとは?
デジタルツインとは、IoTデバイスなどを活用して現実空間の情報を取得し、サイバー空間内に現実空間の環境を再現すること。
リアルタイムな状況把握と近未来のシミュレーションが容易となり、将来のリスクや自然災害などへの対策が行いやすくなる。
実環境の多くの要素がデジタルデータ化されるため、遠隔地からの利用やデジタルコンテンツ化が行いやすく、デジタルツインを活用した多様なサービスやコンテンツが登場すると予想される。
予想される未来社会の変化
- 現状把握と近未来のシミュレーションが容易になり、将来のリスクや自然災害等への対応、多様なシナリオを適用した将来計画と対策が促進される(自然災害、パンデミック、人的リスク、等)
- 都市インフラ、交通システム、エネルギー網などの複合的なシステムを統合的に可視化・分析することで、社会システム全体の最適化が実現する
- 実空間のデータがリアルタイムでデジタル空間に反映され、バーチャル空間での実験や検証が容易になり、イノベーションが加速する
トレンド
TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, au
森ビルとKDDIは、「TOKYO NODE LAB」という共創プロジェクトを通じて、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーにある情報発信拠点「TOKYO NODE」の「TOKYO NODE HALL」に常設のデジタルツイン「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, au」を共同開発し、運用を開始しました。
このデジタルツインホールは、リアル空間を忠実に再現し、デジタルならではの付加価値を加えることで、リアル会場のキャパシティを拡張し、遠隔地からのイベント参加を可能にする。
さらに、リアル会場のスクリーンにはデジタルツイン会場からのアバターが映し出され、デジタルツイン会場にはリアル会場からの映像が投影される仕組み。
TOKYO NODE HALLでは、デジタルとリアルの二つの会場の映像、音響、照明などの演出を同期させ、互いに映像を映し出すことで、360度の客席として一体感のある空間を創出。このシステムにより、デジタル空間ではリアル会場にいるかのような体感が得られ、逆にリアル会場ではデジタル空間ならではの演出を楽しむことができる。
また、各会場の盛り上がりをリアルタイムで伝えることも可能となり、音楽ライブやファンミーティング、ビジネスカンファレンスにおいて新たな体験が実現。これにより、参加者は新しい形での交流と体験を楽しむことができるようになる。
デジタルツイン施工管理支援サービス「Stages」
BuildAppで建設DXに取り組む野原グループは施工現場のVR撮影データを重ね合わせて閲覧・管理できる施工管理支援サービス「Stages(ステージーズ)」を提供し、BIM設計-製造-施工支援プラットフォームBuildApp(ビルドアップ)の施工管理向けサービス群(BIM-XR施工支援サービス)を開始した。
「Stages(ステージーズ)」は、施工段階ごとにMatterportシステム等のVR撮影/3D測量により取得できるVR撮影データを使い、施工管理の質と効率性を向上できるサービス。建設中から完成までの各段階の3D空間画像を重ね合わせ、視覚的に分かりやすいVR空間上で施工履歴管理が実現可能。VR撮影データ同士の他、2D図面・BIMデータ・点群データなどを重ね合わせ、デジタルツインで時系列順に、かつ遠隔からでも工事進捗(質と工程管理)を確認できる。例えば、「Stages(ステージーズ)」は従来難しかった、建物完成時には確認できない隠ぺい部の施工履歴や施工証明を可能にする。
デジタルツインによる浸水対策
応用地質はデジタルツイン基盤を活用した建物等施設に対する3次元での浸水対策効果シミュレーションを開発。今回の新サービスの開発により、さらにミクロな視点での浸水対策に関わる課題解決が可能となり、広域から狭域まで、浸水被害の低減を目的としたさまざまなニーズに対応したソリューションの提供が可能となる。
浸水シミュレーションは、建物周辺の冠水を起点とし、各経路を通じた地下への浸水をサイバー空間内で再現する。また、施設内への水の流入量の変化や、止水板等の浸水対策の有無を加味する機能を実装し、対策設備の効果についても検証を行うことができる。
ユーザーは、シミュレーション結果を元に、事業継続計画(BCP)や既存施設の浸水対策の見直し、重要設備の移設など、最適で実効性の高い施策を講じることができる。また、マンション、オフィス等の新規分譲の事業においても、適切な浸水対策の状況を可視化することで入居者に安心感を与え、販売促進を図るようなビジネスシーンでの使い方も想定している。
・情報通信技術、IoTの技術の革新により、様々なデバイスがインターネットに接続されるようになった。
またセンサーの高機能化、軽量・小型化、低廉化も進展し、それらから多くのデータが常に発生している。それらのデータを分析し、今後の行動へフィードバックしていく流れが加速している
・各先進国では製造業の競争力強化のため、産官学と連携してデジタルツインの導入を推進している(日本:ソサエティ5.0、ドイツ:インダストリー4.0、アメリカ:インダストリアル・インターネット など)
・デジタルツインは、デジタル化や自動化が特に進展する製造業での活用が期待されており、サプライチェーンのリアルタイムモニタリングと最適化への活用、デジタル空間上に、リアルの製品の開発、調達、製造、物流等の状態を再現・シミュレー ションし、連動させることで、高効率化、トラブルの予防や早期発見 などを正確に把握することが可能となる
・製造業以外でも、工場自動化、エネルギーやスマートシティ領域など、よりスケールを拡張した場での活用が進められている
・都市領域においては、バーチャルシンガポールがデジタルツインの先進事例である。スマートシティも、ソサエティ5.0において注目される領域であり、交通 、物流、防災、インフラ等の最適化・高度化・スマート化に向けた都市の実現が計画されている。
2020年にトヨタ自動車が発表した静岡県裾野市における未来型実証都市「Woven City」でもデジタルツインは重要キーワードである
・デジタルツインの導入がある程度進むと、デジタルツイン同士の相互連携も進展。デジタルツインにおけるメリットが個社や地域レベルから、全国、全世界へと進展することにより、全体最適化がなされ、様々な社会課題解決につながると考えられる
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