高度冷凍技術とは?
高度冷凍技術は、食品を迅速かつ均一に冷凍する技術で、品質を保ちながら長期間保存することが可能となるもの。家庭用食品、レストラン・ケータリング、医療、宇宙食などの分野での活用が見込まれる。
冷凍に要する時間が短縮され保管コストが削減されるほか、劣化が早い野菜や魚介類の鮮度が維持できるため需給バランスと輸送効率の最適化が可能となり、フードロス削減が見込まれる。
予想される未来社会の変化
- 解凍時の品質劣化がなくなることで、フードロスが大幅に削減される
- 食品の栄養価や風味を完全に保持したまま長期保存が可能となり、冷凍食品と生鮮食品の品質差がなくなる
- 温度ログとモノのIDが結びつくことで、完全な温度管理とトレーサビリティが実現する
- これまで困難だった細胞や生物資源の保存が可能となり、生物多様性の保全や研究開発が進む
トレンド
第三の鮮度保持技術「ZEROCO」
ZEROCOでは低温・高湿の保管環境を実現することで、食材や食品の鮮度を長期間、高品質に保つことを世界で初めて可能にした、冷蔵庫、冷凍庫に次ぐ第三の鮮度保持技術「ZEROCO(ゼロコ)」の事業を始動。
「ZEROCO」を保管庫・冷蔵庫として活用することにより、野菜や果物、鮮魚、精肉などの生鮮食品を新鮮なまま長期間保存することが可能となるほか、食品の冷凍前の予備冷却装置として使用した後においては、ドリップや冷凍焼け、着霜などの冷凍変性の問題を解決するなどのメリットがある。
また、「ZEROCO」に保管することで食品の細胞が破壊されずドリップが起こらない状態となるため、サプライチェーンの川上に導入することで鮮魚の神経締めや、はらわた除去といった初期加工業務から解放され、鮮度が良いままでの保存が可能。さらに、加工の手間が減り商品寿命が延びることで、結果、フードロス削減にも貢献する。
これまでは冷凍が不可能だと言われていた食品の品質を保ったまま冷凍保存も可能となり、解凍時も特別な手間を必要とせず、電子レンジや自然解凍のみでおいしさを保ったまま味わえる。
プロトン凍結を用いた冷凍グルメ駅弁
新鮮ネットワーク(プロトングループ)はアベ鳥取堂が製造・販売する「山陰鳥取かにめし」をプロトン凍結を用いた冷凍グルメ駅弁として、自社で運営するECサイト「EveryMealMarket(EMM)」で販売開始。
過去にアベ鳥取堂社内で冷凍商品の開発を試み断念した経験から、今回はプロトン凍結を用いることで冷凍駅弁が完成。 現在は「かにめし」のみプロトン凍結の対象品として販売。今後、アベ鳥取堂は同社が手掛ける「カツサンド」や「かにいなり」にもプロトン凍結技術を用いた商品の開発を予定している。
アベ鳥取堂の地元・鳥取の食文化を大切に、地元愛が伝わる「かにめし」のような商品作りをプロトン凍結でサポート。プロトングループの凍結の技術や冷凍食品企画製造のノウハウを広め、歴史ある食文化の継承と、地域産業の発展に繋げる。
お肉の自販機meat&deli
Cqreeは冷凍自動販売機「ど冷えもん」の販売などに取り組んでいる。冷凍自販機シリーズ第四弾として『お肉の自販機meat&deli』が登場。
すき焼きガチャでは、10回に1回はA5ランク九州王のお肉があたるガチャ企画となっており、エンタメ要素もある。
・従来の冷凍技術では完全冷凍までの所要時間・冷凍した際の品質劣化などの課題が挙げられたが、急速冷凍技術の進歩により冷凍時間の短縮・品質の保持が可能となった
・冷凍の所要時間が短縮され、保管コストが削減される
・劣化が早い野菜や魚介類の鮮度を維持できるため、必要な時に必要な数量を輸送でき輸送効率向上とフードロス削減が見込まれる
・「プロトン冷凍」と言われる最新の急速冷凍技術は、凍結時の氷核生成に働きかけ、氷核を多数生成する。氷結晶が小さくなることで、細胞を壊さず、旨味が逃げにくくなり、冷凍しても味が落ちない
・食品解凍も温度と湿度を調整し、食材にあった解凍方法を実施することで、色飛びやドリップを極力防ぐ技術開発が進められている
・これまで産地でしか味わうことのできなかった生鮮食品が国内外へと輸送可能となり、地方都市の経済発展に寄与する
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