感情・幸福度の可視化技術とは?
ウェアラブルデバイスなどを活用し、生体データ(心拍数や呼吸、体温の様子)や言動の記録を分析することで、感情や幸福度を客観的・定量的に評価することが可能になる
心拍数、呼吸、体温、脳波などの生体データや、日常の言動記録などを分析することで、感情や幸福度を数値化・視覚化する
メンタルヘルスケア、エンタメ、職場環境の改善、教育効果の測定など、幅広い分野での応用が期待されている
予想される未来社会の変化
- 感情に合わせて、個人に最適化されたサービス・商品の提供が可能になる
- 集約された感情のビックデータを分析することで、感情のトレンドが把握でき、より多くの人の心を掴むコンテンツの創出が可能になる
- 感情状態の可視化により、人間関係における誤解や摩擦が減少し、より深い相互理解が促進される
- AIが人の感情を把握できるようになり、AI・ロボットと人間のコミュニケーションが円滑になる
トレンド
NECがウェアラブルデバイスを用いた感情分析ソリューションをリリース
NECは人の感情を“見える化”するソリューションを提供している。感情把握する対象者にリストバンド型のウェアラブルデバイスを装着してもらい、脈拍数などのバイタルデータを収集する。収集したデータを独自アルゴリズムで分析し、対象者の感情を「興奮・喜び」「穏やか・リラックス」「憂鬱・疲労」「緊張・ストレス」の4象限に分類して可視化する。
NECの感情分析ソリューションはすでに様々な分野での活用を想定し、実証実験が実施されている。工場では、工程別に作業者の感情を分析し、緊張度の出現頻度が高い工程を抽出する。この工程の負荷の高さを特定することで、その後の改善に繋げられる可能性を見出している。
また、会議や研修では、登壇者のスピーチを聞いている人の感情を分析し、集中度や緊迫度を可視化しました。どんなことをどのように話すと聴衆はどう反応するのかを把握することで、より効果的なイベントづくりを期待できる。
他にもヘルスケアにおいては、社員がコンディションや行動をセルフチェックし、自分自身での変化や過去との比較、および他者との比較によって健康意識を高めるきっかけづくりにも活用している。
音声から感情を可視化するAI「Empath(エンパス)」
Empath(エンパス)とは、人間の声から感情を解析するAIである。声のスピード、抑揚、トーンなどの音響物理的な特徴量から数万人の音声を溜め込んだデータベースをもとに喜怒哀楽や気分の浮き沈みを推定する。
東日本大震災の復興支援をするボランティアスタッフの不調を早めに検知するツールとして活用された。その後、コールセンター領域で活用が広がっている。今後は、様々な場面でのコミュニケーションを支援するテクノロジーとして注目されている。
動画内の表情から感情をリアルタイムに予測する深層学習フレームワーク
Samsung AI(韓国)とインペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)の研究チームが、動画内の表情から感情を読み取る深層学習フレームワークを開発した。人間の感情(怒り、幸せ、悲しみなど)だけでなく、その感情がポジティブか、ネガティブか、興奮しているか、落ち着いているかまで読み取ることができる。
この手法は一般的な単眼カメラからの映像を入力に使用しているため、さまざまな分野において容易に活用でき、今後、製品や広告に対するユーザーの反応を数値化や、精神病の患者の兆候や状況を分析できる可能性がある。
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