サービスのモビリティ化とは?
コマース、ウェルネス、飲食、エンタメ等の各種サービスが、自動運転車や自律移動型ロボットを通して提供されるようになる。移動型のサービスが街を巡回することで、特定のサービスのために移動したり、場所によって享受できるサービスが限定されたりすることがなくなる。特に地方においては、医療・行政サービスなど、生活必需サービスを移動型モビリティによって提供することで、過疎化・人口減少による利便性の低下を補うことができる。
予想される未来社会の変化
- 移動式の専門店やポップアップストアが一般化し、需要に応じて商業空間が柔軟に変化する
- 移動式医療クリニックや検査車が普及し、医療サービスのアクセシビリティが向上する
- 移動型エネルギーステーションが普及し、災害時や急激な需要変化に対応可能になる
- モバイルファームや移動式植物工場により、食料生産が場所を選ばなくなる
トレンド
日本初の「5G×立体音響搭載エンタメ自動運転EVバス公道走行」共同実証実験
みなとみらい21地区は、最先端技術のトライアルが行われる未来都市として発展を目指しており、産学公民のイノベーション創出を促進する「横浜未来機構」と連携し、MMスマートソリューション・コンソーシアム実行委員会(MMコンソーシアム)が実証実験の支援や活動を行っている。そこで、NTTコミュニケーションズの協力を得て、日本初の「5G×立体音響搭載エンタメ自動運転EVバス公道走行」の共同実証実験を実施。この実験は、2024年2月3日と4日に開催される「YOXO FESTIVAL 2024 ~横浜でみらい体験~」の一環として行われた。
将来的には、横浜市とみなとみらいを自動運行する自動運転EVバス「ARMA」内で、様々なエンターテインメントコンテンツを楽しめるバスの可能性を探る。そこで、DATTARUJIN合同会社が提供する「M↔️M Sound Entertainment Tour」を活用し、日本初のエンターテインメント自動運転EVバスの公道走行を実施。また、マクニカ製の遠隔運行管理システム「everfleet」を使用して、EVバスの運行状況を遠隔監視。
EVバスは観光スポット周遊バス「あかいくつ」のバス停「ワールドポーターズ」を乗降場所とし、新港地区を約20分かけて一周するルート(約1.4㎞)を走行した。
三重県鳥羽市での医療MaaS実証運行
三重県鳥羽市では2023年12月18日から2024年3月末に「鳥羽市医療MaaS実証業務」の実証運行を実施。一台のマルチタスク車両を曜日や時間帯ごとに使い分けて、「医療MaaS」と「患者移送サービス」という異なるサービスを提供する。車両内でのオンライン診療は、鳥羽市の石鏡地区と今浦地区で実施。また、鳥羽市立鏡浦診療所まで通院を必要とする患者には、「患者移送サービス」を提供する。
さらに、今回のマルチタスク車両には、新たなシステムとして、ウィーメックスのリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を搭載。「Teladoc HEALTH」は、遠隔地にいる医師に、高画質で鮮明な映像と音声をリアルタイムで共有することができるオンラインシステムで、遠隔地にいる医師が対面に近い感覚で診療することが可能。
行政MaaS(マース)
愛媛県四国中央市の四国中央市役所では行政MaaS(マース)である「くるくるBes-Pa(移動市役所)」の取り組みを行っている。
行政MaaS(マース)とは、マルチタスク車両を活用して市民がアクセスしやすい場所まで行政サービスを届ける移動型行政サービス。マルチタスク車両と庁舎をオンラインで接続することで、各種申請や相談が可能。
「くるくるBes-Pa(移動市役所)」では、マイナンバーカードの申請、マイナポータル支援(健康保険証の紐づけ、公金受取口座の登録)、オンライン相談(事前予約が必要)、住民票、印鑑登録証明書の発行が行える。
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