c-41 : 街の機能・ファシリティの再配置(キッチン、風呂など)

街の機能・ファシリティの再配置とは?

キッチンや風呂などの住宅設備を、コモンズでの共用施設として街に分散配置する動きが進む。これにより、住宅内のスペースの有効活用と、コミュニティの活性化が図られる。必要な機能をモジュールやサービスとして提供する住まいのサブスクリプションモデルも登場している。街の機能・ファシリティの再配置のトレンドは、多様な家族形態やライフスタイルに柔軟に対応できる住環境を創出し、都市の持続可能性と生活の質の向上を同時に実現する可能性がある。

予想される未来社会の変化

  1. 共用キッチンや食事スペースが街区単位で設置され、家庭での調理機能が縮小する
  2. 公共浴場やスパ施設が充実し、個別住宅の風呂設備が簡素化される
  3. コミュニティ菜園や都市型植物工場が普及し、食料生産の一部が街区内で行われる
  4. コワーキングスペースやメイカースペースが各所に点在し、自宅の仕事場機能が外部化される
  5. エネルギー生成・貯蔵施設が街区ごとに整備され、分散型エネルギーシステムが形成される

トレンド

村が設置する共用調理施設「まちなかキッチンスタジオ」

北海道中札内村が新設する「まちなかキッチンスタジオ」は、住民が自由に利用できる共用調理施設として2024年5月に開設を予定している。

384平方メートルの木造平屋建ての施設内には、レンタルキッチンや加工調理室といった調理スペースに加え、食事エリアや子ども向けの遊び場も設けられている。また、隣接する農村環境改善センターとは渡り廊下で接続され、センターの1階部分は50~60人が利用できるフリースペースとして夏頃までに改修される計画だ。

3月24日に開催された見学会には約60人の住民が参加し、大型調理機器を備えた調理場の様子を確認した。参加した主婦からは「広々とした空間での料理が楽しみ」「子どもを遊ばせながら利用できる」といった好意的な声が聞かれた。

村の産業課によると、この施設は料理教室にとどまらず、住民が気軽に立ち寄れる交流拠点としての役割も期待されている。地域のにぎわい創出に向けた新たな公共施設として、多様な用途での活用が見込まれている。

都市型スマート農園

出典:IoTNEWS「NTT東日本・プランティオ・タニタ、IoTを活用した都市型スマート農園の構築と検証を実施」

NTT東日本、プランティオ、タニタによる都市型スマート農園「タニタふれあい農園」は、都市の遊休地を活用した新しい形の農業モデルを提案している。

このプロジェクトでは、ビルの屋上や舗装地などに設置可能なプランター式農園を採用し、参加者全員で野菜を育てる「シェア型」の運営を行っている。IoTセンサ「grow CONNECT」で土壌環境を常時モニタリングし、AI技術「Crowd Farming System」と専用アプリ「grow GO」を通じて、未経験者でも適切な栽培が可能な仕組みを構築した。

利用者は専用アプリを通じてコミュニケーションを取りながら農作業を分担し、収穫した野菜はタニタ食堂やカフェのレシピで調理して楽しむことができる。また、農作業自体を健康増進活動として位置づけ、その効果検証も行っている。

このスマート農園モデルは、新規就農機会の創出や食農への関心向上、地域経済の活性化を目指している。将来的には、この仕組みをパッケージ化して他の遊休地所有者へ提供し、収穫物の流通や地域の飲食店との連携など、新たな食のエコシステム構築を計画している。

 

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