c-29 : リペアエコノミー(修理経済)の発展

リペアエコノミー(修理経済)とは?

リペアエコノミーとは、製品を修理して長く使用する経済活動を指し、使い捨て文化から脱却し、資源の有効活用と環境負荷低減を目指す。EUでは製品の「修理可能性指数」の表示義務化など、制度面での後押しも見られる。リペアエコノミーの発展は、資源の有効活用、廃棄物削減、製品寿命の延長によるコスト削減を促進する。また、修理技術の価値向上や、地域密着型の修理サービスの復活にもつながる。

予想される未来社会の変化

  1. リペアエコノミーの拡大に向けて規制や法整備が進む

トレンド

IROHEN

出典:10YC「IROHENは、あなたが大切に着てきた洋服をもう一回愛着を持って着てもらうためのサービスです。」

10YCではシミがついてしまったり、色あせてしまった服に、上から色を重ね、新しい命を吹き込むことでより長くより楽しく着てもらうサービス「IROHEN」を展開している。

3月、6月、9月、12月にはみんなで一緒に染めるIROHEN CAMPAIGNを実施しており、キャンペーン価格で染めることができる。

リペアカフェいちじく

リペアカフェいちじくは「物も人もリペアするカフェ」をコンセプトしたカフェ。家具や建具の製作はもちろん、リペアの相談などを受け付けている。。家のリフォーム、リノベーションの相談も可能。

また、いちじくの店内に使っている建具は、古い建具の再利用の一例となっている。ワークショップも行っている。

約半数以上の人が炊飯器を修理できる事実を知らずに買い替えを選択

出典:PR TIMES「【タイガー魔法瓶・家電に関する調査シリーズ (補修用部品10年保有) vol.2】あなたのお気に入りの炊飯器、まだ使えたかも?約半数以上の人が炊飯器を修理できる事実を知らずに買い替えを選択」

タイガー魔法瓶では補修用部品10年保有を掲げている。また、家電に関する調査を20代~60代の男女551人に行ったところ、9割の人が家電をできるだけ長く使い続けたいと回答したにもかかわらず、炊飯器が修理できることを57.5%が「知らなかった」と回答し、「知っている」と回答した割合を上回る結果となった。

修理できる可能性を知らなかったために、修理や部品交換ができる選択肢に気がつかないまま買い替えを行っている方が多くいる可能性が示された。


・「壊れたら捨てる」という従来の消費経済を見直す動きが高まっており、壊れたら修理するという「リペアエコノミー」が注目されている。
・マイクロファクトリーなどを活用し、すでにあるモノをカスタマイズすることも、広義のリペアエコノミーに含むと定義する
・2018年に日本でリペアエコノミーの普及を目的として一般社団法人「リペアエコノミー協会」が設立された。主な活動として「修理ガイドの整備・公開」、「修理部品・工具類の提供」等を行っている。(出典:一般社団法人リペアエコノミー協会 公式サイト
・フランスでは、2021年1月からテレビ、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの製品に「修理可能性指数」を示すことが義務化されている。背景には、EUで2021年3月から「修理する権利」の規則が定められたことがある。(出典:Apple、 Independent Repair Provider プログラムを全世界に拡大(Apple)

・Appleは個人が製品を分解し、純正の部品を用いて修理できるようにする「Self Service Repair」プログラムを2022年からアメリカで開始した。(出典:Impress Watchアップルが力を入れる“個人修理”と日本の現状。海外で広がる「修理する権利」

出典:オランダ発のリペアカフェに学ぶサーキュラーエコノミーの要、「修理」文化促進のヒント(CIRCULAR ECONOMY HUB)

・生活者がモノの修理のための技術をシェアする地域コミュニティ「リペアカフェ」は、2009年にオランダアムステルダムで誕生後、世界で2000以上開催されている。リペアカフェは地域の有志が自発的に始める仕組みで、現在は世界各地で活動している人々の知識をデータベース化して共有する取組も行われている。(出典:オランダ発のリペアカフェに学ぶサーキュラーエコノミーの要、「修理」文化促進のヒント(CIRCULAR ECONOMY HUB)

 

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