食生活の二極化(ハレとケ)とは?
「ハレ」(特別な日の贅沢な食事)と「ケ」(日常的な簡素な食事)の概念が現代的に再解釈され、食生活が二極化する。
「ケ」の日常食が簡素化・効率化する一方で、「ハレ」の食事では質の高さや体験価値が重視される。日常食は、AIが個人の健康状態などを分析し、その日に最適な栄養素を提供するなど、より効率的で栄養最適化されたものとなる。「ハレ」の食事は、特別感や非日常感を楽しむ体験として、エンタメ性を追求したサービスなどが登場する。
予想される未来社会の変化
- 機能的・成分的な栄養摂取に割り切る食志向を持つ人が増加する
- 個食化が日常の標準となる一方、特別な機会の共食がより重要な社会的・文化的意味を持つようになり、コミュニケーションとしての食事の価値が変容する
- レストランは食を楽しむだけでなく、プラスαの体験をしに行く場所としての性格が強くなる
トレンド
回転寿司店の「すし銚子丸」の新業態「鮨 Yasuke 豊洲千客万来店」
鮨 Yasukeは回転寿司店の「すし銚子丸」の新業態「鮨 Yasuke 豊洲千客万来店」は、内装にこだわっており、店の入り口付近の床や壁にプロジェクションマッピングを施している。また、プロジェクションマッピングの先に進むと、日本橋をイメージした橋がかかっており、その橋を渡ると客席がある。
「鮨 Yasuke 豊洲千客万来店」は回転寿司ではないため、注文は客席に備え付けのタブレットで行う。
そして、厨房の一部がライブキッチンのようになっていて、職人さんが魚をさばくシーンを生で見られたり、客席にいても店内のディスプレイでその様子がライブ中継されているなど、エンタメ性に富んでいる。
タイムトラベル気分が味わえるバー
渋谷のMIYASHITA PARKの「SOAK」はタイムトラベルした気分が味わえるレストラン。
まず、出発ゲートは、白を基調にした近未来的なレセプション。背後に覗くのは、現代美術家・吉田朗氏デザインの巨大な招き猫、そのインパクトが逆にエキゾティックさを醸し出している。
レセプションの左には、「OYU」という、渋谷の夜景を眺めながら温水で水遊び出来るルーフトップテラスがある。水着もOK、シャワーやロッカールーム、レンタルタオルも準備されている。
レセプションの右のトンネルを抜けるとダイニングルームがあり、カウンター12席にテーブル8席という、「SOAK」のネオンサインが輝くインダストリアルでクールな空が広がる。
前菜では「玉手箱」を模した巨大な箱が登場。蓋を開けると、煙が上がる箱の中から、乙姫からの使いの代わりに、海の幸のスナック、ライスクラッカーに乗った雲丹のエスプーマ、渡蟹のロワイヤルが出迎えてくれる。
料理を担当するのは、『レフェルヴェソンス』オープニングのヘッドシェフ、『NARISAWA』等を経て香港へ移住し「香港の日本料理シェフトップ5」にも選ばれた、長屋英章シェフであり、エンタメと確かな味が楽しめる。
完全栄養のパンケーキミックス「BASE Pancake Mix」
ベースフードは1食に必要な33種類の栄養素がすべてとれる完全栄養食「BASE FOOD」から、1食(1袋)で1日に必要な栄養素の1/3を摂ることができる、完全栄養のパンケーキ「BASE Pancake Mix」を発売。
えぐみやクセもなく、やさしい甘味が特徴の「BASE Pancake Mix」は、シロップなどをかけなくてもそのままでも美味しく食べることができ、デザート系から食事系まで幅広くアレンジできるため、朝食やランチ、おやつにと、様々なシーンで味わえる。
・ベースフード株式会社は、2019年3月にベースブレッドを発売
完全栄養パンであり、一回の食事で必要なほぼすべての栄養素を摂取することができる。30代~40代を中心にリピーターを獲得しており、ネット販売の他にメニュー共同開発など外食店との連携を進めており、近年は一部コンビニやドラッグストアでも取り扱いされている
・ペット関連事業のバイオフィリアは、犬用の完全栄養食「ココグルメ」の
ネット販売を開始。ペットの健康維持を重要視する顧客層を開拓している
・株式会社JMAは、完全栄養食についてアンケートを行っている
調査結果によると、完全食の認知率は2割程度にとどまっており、最も利用率
が高いのは20代男性の17%であることが分かった
また、COMP、ベースパスタ、ソイレントの中では、ベースパスタの利用率が最も高く65%を占めている。ソイレントはアメリカのブランド。この調査が実施された際には個人輸入が必要であったが、全体の38%を占めるという興味深いデータであった
・日清食品は完全食であるAll-inシリーズとして、All-in PASTAを販売している
自社ECとアスクルの個人向け通販サイトLOHACO限定で購入可能。
カップ麺で手軽に必要な栄養素を取り入れられる仕組みとなっている。また、完全栄養食のマーケットは、大手企業が参入するには小さいため、売り場に並べるよりも欲しい人が買いやすいECのほうがあっていると判断したとのことだ。今後、完全食に対する消費者の理解が進めば、販売チャネルも増加が期待できるだろう
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