d-09 : 社会や他者への貢献による自己実現

社会や他者への貢献による自己実現とは?

個人が自身の能力や資源を活用して社会や他者のために活動することで、自己の可能性を最大限に発揮し、人生の意義や充実感を見出すことを重要視する生活者が増加する。

今後、AIやロボティクスの発展により、従来の仕事の多くが自動化される中で、人間ならではの共感や創造性を活かした社会貢献活動が、個人の存在意義を示す重要な場となる可能性がある。個人の能力や興味と社会のニーズをリアルタイムでマッチングする仕組みなども整備・活用されると予想される。

予想される未来社会の変化

  1. 利他的な活動による達成感がもたらす幸福・充実感がの価値が広く理解され、社会・個人に貢献する機会やソリューションが広く受け入れられる
  2. プロボノ活動や専門性を活かしたボランティアが一般化し、職業スキルと社会貢献の融合が進む
  3. 企業評価において社会的価値創造が重視され、従業員の社会貢献活動を支援する制度が充実する

トレンド

Green Ponta Action

出典:PR TIMES『Green Ponta Action「みんなで応援プロジェクト」支援団体に選出~クリック投票で気軽に寄付できる社会貢献アクション!~』

ロイヤリティマーケティングは、スマートフォンアプリ「Green Ponta Action」を提供している。このアプリは、地域や企業、消費者が「SDGs」をテーマに結びつき、持続可能な開発目標の実現を目指す。

アプリのコンセプトは「今日することで、未来を変えてゆく」であり、日常生活の中にあるアクションを通じてスコアをため、ステージを上げる仕組み。ユーザーは「知る」「宣言する」「振り返る」「あるく」「すいみん」といった行動を通じてPontaポイントを獲得できる特典がある。

2021年4月にサービスを開始し、2024年5月までに111万ダウンロードを達成。1日あたり13万人以上のユーザーがSDGsアクションに参加している状況。

さらに、認定NPO法人シャプラニールが「Green Ponta Action」の「みんなで応援プロジェクト」の支援団体として選ばれた。この選定により、ユーザーは「児童労働のない社会で子どもたちの未来を切り拓く」プロジェクトを支援できる機会が生まれ、2024年7月1日から9月30日までの期間中にアプリを通じて「投票」を行うことが可能。投票はアプリを起動後、画面の下部にある「みんなで応援プロジェクト」をタップし、4つのプロジェクトの中から「国際協力」を選択することで、1日1回実施できる。

どうぶつでんき

出典:PR TIMES『電気料金の支払いが動物福祉団体の寄付につながる、「どうぶつでんき」と「TABETE」が連携。コラボキャンペーンを7月1日(月)から開始。』

アイ・ステーションが運営する「どうぶつでんき」は、毎月の電気代から動物福祉団体へ寄付される仕組みになっている。

また、コークッキングの運営する国内最大級の食品ロス削減サービス「TABETE(タベテ)」と連携し、どうぶつでんきにWeb申し込みした人全員に対し、TABETE上で使用できる1,000円分のレスキューパスをプレゼントするキャンペーンを実施。

地球にやさしいカード

出典:SMBC『社会貢献型カード「地球にやさしいカード」の累計寄付額を発表 ~ クレジットカードの利用を通じて地球環境保護を支援 ~』

SMBCファイナンスサービスは、地球環境保護を支援する社会貢献型クレジットカード「地球にやさしいカード」を発行している。

「地球にやさしいカード」は、1991年の発行開始以来、これまで30年以上に渡り、地球環境保護を支援することを目的に、本カードによる寄付を継続してきた。

本カードには、地球環境保護をテーマにした12種類のカードがある。「地球温暖化を抑える」といった地球全体のテーマから、「白保のサンゴを守る」「尾瀬の自然を守る」という特定の地域の環境や生態系の保全を対象としたものまで幅広いテーマを取り揃えており、この12種類の中から、関心のあるテーマを選んで入会できる。

カード会員は、日常のお買い物や お食事などで本カードを利用するだけで、 利用金額の0.5%が同社から公益財団法人 緑の地球防衛基金を通じて各環境団体に寄付 される仕組みとなっている。

各団体の活動状況は、カード会員の寄付金がどのように役立てられたのか、ホームページにて報告している。


・「World Giving Index 2018」世界寄付指数によると、日本の順位は世界144か国中128位と、その異例の低さが際立っている
日本は人への手助けで142位、お金の寄付で99位、ボランティア活動で56位の総合128位となっており、G7の中でも最下位という結果だ

・しかし、2011年の東日本大震災を契機に、寄付や人助け、ボランティアへの意識に変化が見られたとの報告もある
近年、クラウドファンディングに対する関心も高まっており、今後も変化していく可能性が高い

・社会の様々な組織や集団の基盤にある、信頼、規範、人と人との互酬性を「ソーシャルキャピタル」と呼ぶ
組織や集団としての結束力が強いと、思いやりや支え合い行為の活発化につながるなど、社会問題の解決につながるとして、近年欧米を中心に注目を集めている

・宗教はソーシャルキャピタルの典型であり、信仰が基盤となり、人とのつながりや助け合いの源泉となっている

・多くのボランティア組織は、キリスト教の隣人愛思想を源流として発足している現実がある
仏教においても、貧窮者や病人を救護する施設を聖徳太子が建立するなど、宗教の教えや信念が原点となっている事例が多く見られる

・アメリカの心理学者マズローは、人間の欲求を「マズローの五段階欲求」とピラミッドで定義した
マズローにとっての自己実現は「至高体験」(自我超越、自己忘却、無我、利害や二分法の超越、愛、精神、真善美)が重要であり、次のように述べている
「世間や人間を完全に愛すべきものとして、咎めず、思いやりを持ち、また、たぶん楽しみをもって受け入れるという意味で、神性がみられるのである」
このように、利他性が重要なファクターとして語られており、自己実現のためには利他性が欠かせない要素として定義される

出典: Wikiquote

 

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