アート産業・マーケットの拡大とは?
アート・芸術の市場は、デジタル技術の進展と投資対象としての価値認識の高まりを背景に拡大が加速している。NFT(非代替性トークン)の登場により、所有権と希少性が保証されたデジタルアートの市場が新たに誕生した。AIアートの台頭やブロックチェーンを用いた作品の真贋証明など、テクノロジーとアートの融合が進む。これらの変化はアートの民主化と新たな表現形式の誕生を促進し、従来のアート市場の概念を拡張すると予想される。
予想される未来社会の変化
- 富裕層の拡大とアート関連のコンテンツ・情報の充実化が市場拡大を後押しする
- 美術品の市場価格が共有しやすくなり、流通も促進され価格が向上する傾向にある
- NFTやブロックチェーン技術により、デジタルアート作品の価値保証と取引が一般化する
- 希少性やエディション管理がしっかりした作品は金融商品以上の利回りを生むため、また、税制の改正もあり、富裕層の投資対象としての購買が増える
トレンド
チームラボプラネッツ(東京・豊洲)がギネス世界記録™に認定
東京・豊洲にある「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」は、2023年4月1日から2024年3月31日までの来館者数が250万4,264人に達し、単一アート・グループとして世界で最も来館者が多い美術館としてギネス世界記録に認定。
この美術館の2023年の総来館者数は241万2,495人であり、これは単一アーティストの美術館の中で最も多く、ゴッホ美術館やピカソ美術館の来館者数を大きく上回っている。
さらに、チームラボプラネッツは、Googleの「Year in Search 2023」においても「世界で最も人気のある美術館・博物館」のランキングで5位にランクイン。
このギネス世界記録認定は、2019年に認定された「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」に続くもので、チームラボにとって2つ目の記録。
また、2025年初頭にはチームラボプラネッツに新たな大規模エリアが追加される予定。新エリアには、創造的運動空間「運動の森」、共同的な創造性を促進する教育的プロジェクト「学ぶ!未来の遊園地」、そして「捕まえて集める森」が含まれ、10作品以上のチームラボの作品が展示されることで、体験が大きく拡張されることになる。
NAKED GARDEN ONE KYOTO 2024 supported by 三菱UFJフィナンシャル・グループ
ネイキッドは、京都市、宇治市、滋賀県大津市と共同で、アートプロジェクト『NAKED GARDEN ONE KYOTO 2024 supported by 三菱UFJフィナンシャル・グループ』を2024年7月26日から8月25日まで実施。
このプロジェクトは、京都観光を夜に楽しむためのナイトタイムコンテンツを提供し、京都のオーバーツーリズム対策の分散観光促進に寄与することを目的とする。近年、訪日外国人観光客を含む多くの観光客が京都を訪れる中で、オーバーツーリズム対策が重要な課題となっているため、ネイキッドはこの点に着目。
本プロジェクトでは、京都市の三条~四条エリアや宇治エリアを一つの庭と見立て、京都の夜を楽しむためのアートな提灯「NAKEDディスタンス提灯®︎」の有料レンタルを行う。涼しい夜に提灯を手に街を歩くことで、京都の風情を存分に楽しむことができ、観光客と地元の方が一体となって光のアートに参加し、提灯の灯りに包まれた街の景観を楽しむことができる。
さらに、京都の夏を楽しむためのナイトタイムコンテンツも用意されており、恒例の世界遺産・二条城での夏まつりや京都タワーのライトアップが行われる。加えて、京都のユニークなスポットを活かした夏のイベントも予定。
ARTerrace
ARTerraceは、日本の伝統文化を世代や国境を超えてつなぐことを目的としたアートプラットフォームで。このプラットフォーム名は、「Art(芸術)」、「Terrace(集う場所)」、「照らす」という要素を組み合わせたものであり、日本の伝統文化の「美」と「技」に光を当て、その素晴らしさを広めることを目指す。
ARTerraceでは、人間国宝や伝統工芸作家による独自の作品を数多く展示しており、鑑賞者が作品の技法や作家の思いを理解できるよう工夫が凝らされている。
さらに、ARTerraceはブロックチェーン技術を活用し、台帳管理を行うことで、作品の購入や取引が安心・安全に行える環境を提供。この技術により、作品の誕生から移転までの記録が公開され、作品の真正性や信頼性が担保されている。
また、作家や作品、技法に関する情報を提供することで、日本の伝統文化に対する理解を深めることができ、利用者は安心して作品を購入できる。
ARTerraceは、共通の思いを持つ人々が出品できるパートナー機能も実装しており、オープンなプラットフォームを目指している。
•「日本のアート産業に関する市場調査2019」によると、国内の古美術や洋画・彫刻・現代美術などをあつかう美術品市場の市場規模は2580億円(前年は2460億円)と、2016年の同調査開始以来最大となった
・販売チャネル別では、国内画廊・ギャラリーが982億円でトップ。次いで百貨店567億円。続いてインターネットサイトが192億円であった。美術品市場においても、インターネットが台頭している
・アートフェアやインターネットサイトでの美術品の購入は、それぞれ253億円と180億円であり、3年連続で増加傾向にある
・文化芸術基本法が改正され、文化芸術のイノベーションとしての文化芸術に関連する、産業や市場(マーケット)の育成が挙げられている。
美術品の寄託に係る相続税の猶予を、現代美術品まで拡充することによって、現代美術作品を「ナショナルストック」としてとらえつつ、市場整備を急ぐことや、海外への流出を防ぐことを目的としている
・アートマーケットにおいても、中国が台頭してきている
その背景としては美術品の購入を資産運用のリスク分散の手段だと考える人が多いことが挙げられる
・国際経験豊かなビジネスパーソンへの調査(アート東京)では、芸術への価値観について「芸術的視点は、産業競争力の強化において重要である」と回答する人が多いという
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