b-19 : 情報リテラシー格差による生活格差の拡大

情報リテラシー格差による生活格差の拡大とは?

デジタル社会の進展に伴い、情報技術を効果的に活用できる者とそうでない者の間で、就業機会、教育、医療サービス、行政サービスへのアクセスなどに格差が生じる。特に高齢者や低所得層、インフラ整備が不十分な国・地域の居住者などが不利な立場に置かれやすい。この格差は社会参画の機会や生活の質に直結し、既存の経済的格差や、思想・価値観の分断などをさらに拡大させる懸念がある。

予想される未来社会の変化

  1. デジタルスキルの有無が雇用機会や収入に直結し、新たな階層化が進行する
  2. 分化した両者間の認識・コミュニケーションの齟齬による問題が顕在化する
  3. 情報リテラシーの世代間格差が深刻化し、高齢者の社会的排除が加速する

トレンド

AIプロンプト思考ビジネスプログラム

出典:PR TIMES「ドコモgacco 生成AIをビジネスに実践活用するための企業向け研修 『AIプロンプト思考ビジネスプログラム』の提供を開始」

ドコモgaccoは生成AIをビジネスに実践活用するための企業向け研修『AIプロンプト思考ビジネスプログラム』を提供開始。

『AIプロンプト思考ビジネスプログラム』は、正解のない時代の中で、生成AIを使って「答えのない問い」に向き合う思考法を身につけるための研修として誕生した。生成AIの活用状況に課題を感じている企業を中心に導入を拡大し、企業のビジネス実践の場で新しい価値創出に向けた生成AIの活用を支援していく。

生成AIの進化は急速に進み、業務効率化や生産性向上を目的として、あらゆる業界にその影響は広がっているものの、企業によっては「生成AIを導入しても業績や売上に影響しない」「導入してもどう活用すればよいかわからない」などの課題が生まれ、従業員からも「必要性を感じない」「使い方がわからない」といった悩ましい声が寄せられている。また、生成AIの活用が進んでいる企業においても、業務効率化を目的としてテンプレート化されたプロンプト(生成AIへの動作の指示)の使用が主となっており、生成AIの機能の一部しか使いこなせていないという課題が見られている。

本プログラムを通じて、生成AIを活用して「答えのない問い」に向き合い、アジャイルで多量な対話を重ね、ビジネス実践できる新たな価値の創出を目指す。

若者向けデジタル支援プログラム

リコーと、認定NPO法人育て上げネットは協働で、急速なデジタル社会の進展のなかで、情報格差により就労に困難を抱える若者たちの支援を行う「若者向けデジタル支援プログラム」を実施。

本プログラムでは、NPO法人育て上げネットが募集した若者に対して、リコーグループ社員がデジタルイノベーションで変化するワークプレイスを紹介するほか、オンラインでデジタル技術を活用したスキルトレーニングを提供するなど、働くことへの参画を後押ししている。

デジタル社会の進展の一方で、若者世代でもデジタル・ディバイド(情報格差)が起きている。経済的に厳しい家庭ほどパソコンを使用する機会が少なくなり、就労へのハードルを上げる要因になっている。 また、本プログラムでは、若者にメタバース空間と3Dモデリングという新しい技術に触れてもらうことで、新しい働き方や職業への理解を深め、デジタルを使った働き方に対するイメージの醸成や自信の向上を目指す。

会社規模による「AI格差」

出典:EnterpriseZine『会社規模による「AI格差」と「人材不足」が課題か──ソニービズネットワークス調べ』

ソニービズネットワークスが、全国の会社員や経営者・役員1,000名を対象に、「AI導入状況調査」を実施したところ、AI導入にかけている金額に、中小企業(300人未満規模)と大企業(300人以上規模)で格差があることが分かった。

300人未満規模の企業では、6割以上の企業が300万円までしかAI導入に予算を割けないのに対し、300人以上規模の企業では、約半数の企業が300万円以上予算を割くことができているという結果となった。

全体的にAIに対する年間予算は下がっているものの、AI格差の改善には至っていないことが示された。

また、AI未導入企業は、「AIをリードできる人材がいない」「知見のある人材がいない」という「人材不足」の観点から導入に踏み出せていない企業が多数を占めていることが明らかになった。


・デジタル化が進み、PC・スマホ・タブレット端末など多様なデバイスから、膨大な情報が入手できるようになった。そのような社会において、情報リテラシーの差が経済的・社会的格差を生む一因にもなっている。
情報リテラシー格差は「情報格差」や「デジタル・ディバイド」と呼ばれることもある。総務省は、デジタル・ディバイドを「インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者の間に生じる格差」と定義している

・情報格差の原因としては、教育・学歴の差、収入の差、高齢化、身体的・精神的な障害、 ITインフラの不足などが挙げられる

・インターネットの利用状況では、高年齢層や低収入層が不利な状況に置かれている。
総務省の調査によると、2018年の年齢階層別インターネット利用率は、13歳~59歳までは各階層で9割を超えているのに対し、60歳代では約77%、70歳代では約51%である。
世帯年収別では、400万円以上の各階層では80%を超えているが、200~400万円では70.6%、200万円未満では54.4%である

出典:総務省
基本データと政策動向

・あるネットワークへの参加者が多いほどそのネットワークの価値が高まりさらに参加者を呼び込む という「ネットワーク効果」により、一定程度の利用者を獲得したサービスを提供する事業者のみが、市場において成功する「一人勝ち」を生み、格差につながっているとされる

・教育分野でもICT化が進むにつれて、環境整備などの点において地域間格差や学校間格差が生まれている

・コロナ禍となった近年は、「ITリテラシー格差」が注目を浴びている。ここで言うITリテラシーとは、IT(ツール)の利用に関する知識やリテラシーを指す。在胎勤務が浸透したり、クラウドサービスの利活用が企業内で進む中で、ITツールの利用方法の知識に格差があることで、業務効率や仕事の成果に大きな差が出ることがある。

 

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