c-07 : センシング社会

センシング社会とは?

センシング技術は、今後のAI、IoTの世界では基盤技術であり、今後ますます重要性が高まる。センサーの小型化・低価格化によりコモディティ化が進み、あらゆる場所でデータ収集が可能になり、ヘルスケア、ウェルネス、エネルギー、農業など、多様な分野での活用が拡大している。リアルタイムでの状況把握や予測が可能となり、社会システムの最適化や個人の生活の質(QOL)の向上が期待される。

予想される未来社会の変化

  1. ウェラブル、設置型などの多種のセンサーが遍在化する
  2. 画像や音声といったデータから、意味のある情報を抽出する解析技術が高度化し、センサーとして利用できるデバイスが急拡大する
  3. 個人や属性の識別、取得データの統合的な管理と解析・運用が進み、リスク軽減、省力化、個別・全体最適が促進される
  4. データ利用に関わるプライバシーの概念の再定義が必要となり、全社会的に議論される

トレンド

惣菜盛付全工程のロボット化統合システム開発

出典:PR TIMES「世界初!惣菜盛付全工程のロボット化統合システム開発に成功」

コネクテッドロボティクスは2023年度の経済産業省の事業である「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」および、農林水産省の事業である「生産工程高度化推進委託事業」に採択された一般社団法人日本惣菜協会から協力会社として選定され、ユーザーである小売り・惣菜製造企業9社と、課題解決のためのトップ技術を持つベンダー・協力企業とともに、各種ロボットシステムの実現場への導入を推進した。

惣菜盛付工程の全てをロボット化することを目的とした「惣菜盛付全工程ロボット化統合システム開発」と、近年市場が拡大しているコンビニエンスストア向け小容量の惣菜に対応した「CVS向け惣菜盛付ロボットシステム開発」を担当し、半年間で現場実装までを実現。これらは全て現場実装したロボットシステムとして世界初となる。

惣菜盛付全工程自動化統合ロボットシステムを開発、現場実装したことで、従来1ラインあたり7名関わっていた製造工程が、2名ほどに省人化することが可能になった。また、CVS向け高精度惣菜盛付ロボットシステムを開発、現場実装したことで、作業者1人分のスペースで2台のロボットアームが動作する惣菜盛付ロボットシステムの設置が可能になった。

Dexcom G7

出典:PR TIMES『デクスコムジャパン、糖尿病のある方の日常の血糖マネジメントを容易にする新しいリアルタイムCGM「Dexcom G7」を発売』

デクスコムジャパンはリアルタイムCGM(持続グルコースモニタリングシステム)「Dexcom G7 CGMシステム」を発売。

リアルタイムCGMは、間質液中のグルコース濃度の変化を把握し、糖尿病のある方の日常の血糖マネジメントを容易にするための医療機器。Dexcom G7では、測定したグルコース濃度をスマートデバイスに表示するだけでなく、上昇・低下のトレンドをリアルタイムで確認することができる。Dexcom G7は、糖尿病のある方が糖尿病をより簡単にマネジメントできるよう使いやすさを向上すると同時に、高い精度での測定を実現し、ヘモグロビン(Hb)A1c 7%未満を目指す血糖マネジメントを支える。トランスミッターと一体化することで従来機のDexcom G6より60%小型化し、センサーのウォームアップが30分未満で完了、約7分で設定を完了できる。

Dexcom G7は、上腕後部へも装着が可能となり、装着部位、装着期間、センサーグルコース値に関わらず高い精度を実現することが、海外の臨床試験で確認されている。また、重症低血糖を警告する「緊急低値リスクアラート」など患者さんの行動変容を促す各種アラート機能を備え、状況に合わせて調整が可能。

自律移動ロボット「カチャカ」

出典:PR TIMES『自律移動ロボット「カチャカ」大規模言語モデル搭載で自然な会話による操作が可能に』

Preferred RoboticsはAI技術を搭載し、人の指示で家具を動かす自律移動ロボット「カチャカ」を開発した。専用家具とドッキングすることで、指定の場所までモノを運ぶことができる。これまで難しいとされてきた、環境変化の激しい居住空間での柔軟な自律移動を実現する。人が家具に合わせて動くのではなく、人に合わせて家具が動くというスマートファニチャーのある生活を提供する。

利用者の声をもとに継続的な機能追加も実施しており、大規模言語モデルを利用した新機能の提供を開始。今回追加される新機能では、カチャカをより自由で自然な会話で操作できるだけでなく、カチャカが過去の会話内容を記憶し、それをベースに人の指示に対する理解力を高めることで、より利用者の意図に添った動作をする。さらに、利用時の困りごとに関して、話しかけるだけで解決策を提示するなど、より自然な会話をカチャカと楽しみながら、その活用範囲を広げることが可能になる。


・センシング技術はAIやIoT、日本政府が推奨するスマート社会「Society5.0」実現の基盤技術であり、様々な業界や領域の課題解決をする上で、今後ますます欠かせないものとなる

・特に、自動運転や自立輸送では実用化が進展すると、より高度なセンシング技術に対する需要が高まった。自動運転で活用されるミリ波レーダーやLiDARは、開発競争が現在も繰り広げられており、日々技術進歩とコストの低廉化が進んでいる

出典:空間情報クラブ
LiDARとは|光センサー技術の仕組み・特徴・活用例を解説

・センサーは年々小型化、低価格化が進み、コモディティ化が進む。
センサーを活用した様々な技術、システム、サービスが生まれているが、ニーズも多様化している。センサーの進化・普及は次世代通信規格5Gの本格導入により、ますます進展する

・ロボット技術への活用は、工業領域だけでなく、家庭用ロボットなど活躍の場が広がっていくことが考えられ、センシング技術はコンシューマー領域においても重要度が高まる

・超高齢化社会を控え、医療費の低減も求められている。
ヘルスケア・ウェルネス領域では、ストレス度数を脈拍の乱れや発汗、体温などのバイタルデータから判断し、定量化してメンタルヘルスを保つなど、これまで人間では不可能だった領域での活躍も見込まれる。
ヘルスケア・ウェルネス領域では、ウェアラブルデバイスの普及が考えられる

出典:PR TIMES
センシング技術の活用で毎日の睡眠状態を管理

・新型コロナウイルス対策で求められる非接触機能では、センシング技術が不可欠であり、注目を集めている

・センシング技術による測位、精度の向上により、農業や海洋、エネルギー、気象領域などでも活用が進むことが考えられる

・センシング技術のコモディティ化が進展を続けると、脳の生体情報を読み取るブレインマシーンインターフェイス(BMI)の実用化も進むと考えられる

・Googleは、スマートカメラである「Google Nest Cam」を提供している。このカメラは、人、動物、車を判別することができ、必要な通知だけがくるように設定をすることができる。

出典:Google Store

 

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