SNS分析にみる『笑点』(ちょいみる分析)
こんにちは、D4DR分析コンサルティング部がお届けする「ちょいみる分析」のコーナーです。
これから様々なお題(時に担当者の独断と偏見によりチョイス)について、SNS分析・ソーシャルメディア分析を中心に「それ、ちょいっと見てみよう」をコンセプトにご紹介していきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
記念すべき第1回のテーマは、若者から高齢者まで幅広く人気を集めているご長寿番組「笑点」のツイッター言及を元に、SNS分析を用いて「簡単な分析結果から見る笑点」をお送りいたします。
笑点の話題発生はピンポイント集中型
では早速、まずはSNS分析のみならずデータ分析の基本中の基本、時系列推移(twitter)を見てみましょう。
今回は笑点全体に加え、大喜利司会勇退発表で話題の中心になると予想できる歌丸師匠を筆頭に、それぞれ盛り上がるでであろうトピックをお持ちのメンバーのみなさんについてもテキストマイニングにより分類し、比較することにします。
さてさて、twitter上の投稿数グラフを見て最初に気づくのは毎週訪れる定期的な盛り上がり。
放送日の日曜日をピークに、放送日前後の毎週土曜日から月曜日にかけて、話題が増加していることがわかります。
なるほど、笑点は毎週毎週きちんと話題にされているけれど、話題の盛り上がりは短期間で収束するピンポイント集中型なんですね。
この波形をご覧になって、「でも・・・欲を言えば放送日付近じゃない火曜や水曜や木曜や金曜も、常に話題にしてほしい・・・」と、例えばこれが自社プロモーションの分析結果だったとしたら思われる方も多いのでは。
その場合、より話題性のあるプロモーション内容や常に話題にされる継続型発生の方法を探るべく、さらなる分析を行います。(今回はやりません。どうもすみません。)
そしてピックアップしたメンバー5名のうち、ひときわ話題量が多く笑点全体と同じような波形を描いているのが、われらが歌丸師匠です。
歌丸師匠は他の4名と比べ(厳密には三平さんは5/29にメンバー入りしたので、5/29以前の比較としては3名)、「笑点に関する言及が盛り上がる度に歌丸師匠も話題になっている」ことがうかがえます。
話題が発生する要因として、笑点 放送50周年特別記念展での女装写真や勇退表明など、飛び抜けた話題性のある内容が度々取り上げられていました。
言わずもがな、どんな業界でもまずはたくさんの興味関心を集める、ということが大切なポイントのひとつになります。
https://twitter.com/iwa_tti/status/737787436579753984?ref_src=twsrc%5Etfw
そんな歌丸師匠勇退により、一躍脚光を浴びたのは新司会者の昇太さん。
5/22、歌丸師匠とぴったり重なるピークを見せます。
これは、歌丸師匠勇退と昇太さん新司会がセットで語られていたためです。
新司会就任にして初回の5/29も、5/8の歌丸師匠の話題量より多く、話題度としてはまずまずの滑り出しと言えるのではないでしょうか。
春風亭昇太の「笑点」新司会…今後を見据えた交代劇 https://t.co/ndGurkSys1 #笑点 #春風亭昇太
— 日刊スポーツ (@nikkansports) May 30, 2016
続いて同じく5/29に新メンバーとなった三平さんがこの日の話題の中心に。
生放送中の新メンバー発表ということもあり、放送を観ながら発表を今か今かと心待ちにし、発表後すぐにツイートするというシーンが言及に見られました。
新メンバーは誰?というトピックが多くの人の興味関心を集めるものであったことがわかります。
https://twitter.com/rom_0129/status/736839023289716736
さてさてこうして見てみると、勇退後は歌丸師匠についての話題量はぐんと減少していますね。
番組同様持続力のある話題性で、ぜひともピンポイント集中型から継続型へ、昇太さんと三平さん、その他メンバーのみなさんで今後も笑点を盛り上げていっていただきたいです。
「歌丸ラスト笑点」に感動する人続出
次にテキストマイニングによるワードマッピングから代表的な内容を把握してしまいましょう。
今回は歌丸師匠、圓楽さんについてそれぞれ円の大きさでおおまかな出現ボリュームも表してみました。
歌丸師匠はやはり笑点1番のトピックである勇退発表関連のワードが数多く見られます。
でもちょっと待って、「わっはっは」ってなんでしょう?
圓楽さんのワードマッピングにも同じワードが出ていますね。
この謎を解明するためには、このワードを含む実際のツイートを見てみる必要がありそうです。
ということで「わっはっは」が具体的にどういう内容としてツイートされていたかというと、こちら。
https://twitter.com/aroga_wide/status/734584337270726656
ちょ、これは・・・読みながらうかつにも涙が・・・。
この大喜利のやり取りに、「感動する」「泣ける」といった感想を合わせて書かれている方がたくさんいらっしゃいました。
しかもこのやり取り、「歌丸ラスト笑点」と呼ばれているようです。
このように謎ワードが出現している時は、慌てず騒がず、実際の内容を見てみるという逆引きをすることで理解が深まります。
さて謎が解明したところで改めてこのワードマッピングを見ると、最後の大喜利の一幕「歌丸ラスト笑点」についてのワードが出現しており、言及量も多かったことがわかります。
「みんな歌丸・円楽コンビが好きなんだ」の確認と「あの人にそんな趣味が?!」の発見
そして最後にこちらもテキストマイニングの王道、ワードランキングです。
今回はピックアップしたメンバー5名について、頻出ワードを200位までランキングにしてみました。
ワードランキングからは、ワードベースでの確認と発見が可能です。
まずは確認から。
ワードマッピングからわかった大喜利の一幕「歌丸ラスト笑点」は歌丸師匠、圓楽さん共にしっかり上位にランクインしています。
そして歌丸師匠と圓楽さんコンビが好きだったという声による「掛け合い」もランクイン。私も好きでした。
そして知らない人にとって発見となるひとつめは、昇太さんの「キャロル」「キャロル600」。
この事実を知って、私の中の昇太さんのクラス感がぐんとアップしたような。
笑点の新しい司会となった春風亭昇太さんの愛車のキャロルがキャロル600という凄さ。
そして現役状態のキャロル600が確か昇太さんが所有している個体のみというね… pic.twitter.com/CcMJ0E4xqz
— 桃色 万年社畜丙提督秋イベ降りた (@momoilojeepj54) May 22, 2016
ふたつめ、三平さんの「ミリタリー」「月間戦車道」。
発売されたばかりのファンブック「月刊戦車道 増刊号2」にコメントを寄せて頂いた、ミリタリー好きの林家三平さん、笑点の新メンバーおめでとうございます!応援してます! #garupan pic.twitter.com/dftsVIAowh
— 「ガールズ&パンツァー」公式アカウント (@garupan) May 29, 2016
三平さんは、奥様の「佐智子」をはじめ、「林家正蔵」「泰葉」といった一族のお名前が出てきたのも特徴的でした。
昇太さんに「独身チビ野郎」と言い放つあたりも名門林家一家らしさを感じさせられま・・・
今日の笑点。姉(金髪豚野郎の作者)が昇太さんのこと「独身チビ野郎」って言ってましたと。三平さん初回からぶっこんだねww pic.twitter.com/AXSJmRRAJR
— かたつむり (@NishiMaaai) May 29, 2016
そしてそして最後に、一際違和感を放ったのが歌丸師匠の「ラテアート」。
どういうことかと申しますと・・・こちら。
ラテアート【桂歌丸さん】
笑点お疲れ様でした!!! #笑点 #桂歌丸 #歌丸師匠 pic.twitter.com/GvBJvH4ZGl
— ベルコルノ@ラテアートと漫画飯 (@BELCORNO) May 22, 2016
歌丸師匠、本当に愛されています。
これを見つけたのをきっかけに、似たような発想が他にもあるんじゃないか?と探してみたら、出るわ出るわ、「羊毛フェルト」「イラスト」「マスコット」・・・どれもこれもすでに流行だったり定番の創作物なのですが、モチーフが歌丸師匠というのがとても斬新ですよね。
これは新商品開発の糸口になるのでは?!といった具合に発想が膨らみます。
このようにワードランキングからは、事実の確認や新しい発見、深堀すべきポイントなどを見つけることができるのです。
SNS分析・ソーシャルメディア分析は「目の付け所」で活用が広がる
「簡単な分析結果から見る笑点」いかがでしたでしょうか。
今回の分析アウトプットは、SNS分析・ソーシャルメディア分析では定番中の定番ばかり(しかも粗い・・・)です。
しかし、そこから読み取れるものは、現状把握と確認から新しい発見、もっと深く知りたくなるきっかけ等様々なものがありました。
データ分析とは定量的、定性的に物事を捉えるのが最大の目的ですが、SNS分析・ソーシャルメディア分析では、そこにさらに生の声から意外な事実やアイデアの種を見つけ出すことが可能になります。
このあたりはアナリストのセンスだったり、どこまで見ていくかという勘所だったり、マーケティング思考だったり、「目の付け所」をどこに置くかでかなり変わってくるので、アナリストにとっては腕の見せ所でもあります。
D4DRでは2005年からソーシャルメディア分析、SNS分析を実施してきました。ブログ、twitter、instagramなど多くのメディアに対応し、独自システムやノウハウを使った分析サービスをご提供しています。
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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